癖のようなもの

大阪を通ったついでに、国立国際美術館で開催されていた草間弥生展に行きました。「永遠の永遠の永遠」とタイトルのついた展覧会の内容は、2004年以降のシリーズもの二つと新作ポートレート、彫刻など。彼女の表現本能が何かとがっちり手を組んで世の中に知らしめしている、といった印象。メーク無しでエプロンして震える手で色を塗り込めていく一人のばーさんの癖のような「絵を描く」ことが、愛や魂や幻想や永遠をまとって展示される。確かに、画面構成や色の組み合わせはうまいなあと思うけど。アミューズメントされすぎてやしないだろうか。チューリップの部屋も、写真には写らないように撮っているのだけれど、ここで鑑賞者はみな写真をとるのである。撮影可能箇所が決められていて、そこではかならず携帯やら何やらでみな写真を撮る。すっごいパワフルなおばちゃんやねえ、なんて言いながら。やむにやまれぬ感ややるせなさのような草間弥生的煩悩は、すでに永遠の永遠の永遠の彼方に、昇華されてしまったのだろうか。