路上と観察

路上観察学会のお歴々がトークショーをするってんで、現代美術館に行って参りました。
会場は定員以上の立ち見ありの賑わいで、若者から学会メンバーと同世代の方まで様々。藤森氏、林氏、南氏、松田氏それぞれのキャラが言うまでもなく立ち上がり、スライドを見ながらつれづれに話はあーでもなくこーでもなく流れていくのでした。
彼らが路上に見出したものは、今でも路上に存在しているかもしれないし、似たようなものもまだまだあるかもしれない。でも写真に映し出された、あの頃の観察、発見、記録は、たぶん最初のがいちばん面白くて、唯一無二のものなのである。藤森さんは正直に、僕は飽き性だから、と言っていたけど、もう時代は、路上観察学会以後なのである。
今は、スマホやらケータイやらデジカメで、それこそ気軽に路上でもどこでも、発見し記録し伝達し、表現のような共感のようなものを楽しんでいる時代だしねえ。よくもわるくも。
可笑しかったのは、「こーいうの赤瀬川さん撮るよねー」「僕が撮りたかったから撮ったんです」「藤森さんは全然反応しないでしょ」「えーこんなん撮ったかなあ」なんてそれぞれの見立てについてのコメント。仲良し学会においても、表現てのは孤独なものなんです。
写真は、懐かしの、松田編集長の筑摩書房「頓智」創刊号。