いくつかの展覧会を観に、大阪神戸と巡りました。芦屋にも寄ったので、近くにあるヨドコウ迎賓館と名付けられた、フランク・ロイド・ライトの旧山邑家住宅を観に行きました。遠足で行った (40年も前)、明治村以来のライト体験です。
芦屋川からの坂を登り、緑豊かな高台に建つ建物は、時代を超えてお屋敷感を醸し出しています。ふんだんに使われている大谷石、家具の造作、窓や扉のデザイン。みどころはもりだくさん。壁がベタッと塗料で塗り替えられていたのが残念ですが、ライトのインテリアを存分に味わえます。4層のプランの配置の仕方、北側の半分がくいっと折れ曲がっているところ、バルコニーの贅沢さ。ライトに設計を頼むような人が住まう住宅ですから、それは普通の住宅とはかけ離れてはいますが、こういう巨匠の設計した住宅というのは、すごく勉強になるなと素直に思いました。
緑の斜面に佇む建築のプロポーションから、室内の細かなディテールまで、ライトのセンスとしか言えない世界でがっちりとかたちづくられている。小さなものから大きなことまで、そこにはフランク・ロイド・ライトがいるのでした。