今年小学6年生をやっている一人息子は、手がよく動く方だと思う。小さいときから、どちらかというと屈託なく外へ飛び出していく鉄砲玉のような子供というかんじではなく、そのかわりにひとりの世界でなにかもくもくとやっているという時間が多かったせいかもしれない。今でも、本の世界に浸っていたり、レゴで何か仮想世界で遊んでいたり、工作物を作っていたりする時間も多い。
その工作物であるが、彼にとっての自由自在の素材は、紙とテープ。なんでも、この紙とテープでつくろうとする。幼い手では、のりしろをつくりのりで貼り付けるのは難易度が高い。お手軽にセロテープでつなぎ合わせていたそのままの手法でやっている。しゃーぴっしゃーぴっというテープを切る音とともに、様々な物が作り出される。
様々なものを作り出していく中で、継続して好きなのは刀をつくること。親はおもちゃの刀を与えてくれないので、自分でつくるしかない。新聞紙をまるめただけでは物足らず、なにか張り付けたり、巻き付けたり、いろいろ技を駆使して、彼は新しい刀をどんどん生み出した。
そしていよいよ、それを納める「さや」までも登場。これはもとはティッシュの空き箱。それに刀と同様ビニールテープを巻き付けて、ぴったりと、刀が実にぴったりと納まるようにつくった。きつすぎずゆるすぎない微妙な納まり具合になっている。仕上がりがちょっとなあ、テープだしなあ、という些細なところに彼の創作欲はとらわれないのだ。
つくりたいものをつくりたいようにつくってなんぼ。あーうらやましい。