路上と観察

路上観察学会のお歴々がトークショーをするってんで、現代美術館に行って参りました。
会場は定員以上の立ち見ありの賑わいで、若者から学会メンバーと同世代の方まで様々。藤森氏、林氏、南氏、松田氏それぞれのキャラが言うまでもなく立ち上がり、スライドを見ながらつれづれに話はあーでもなくこーでもなく流れていくのでした。
彼らが路上に見出したものは、今でも路上に存在しているかもしれないし、似たようなものもまだまだあるかもしれない。でも写真に映し出された、あの頃の観察、発見、記録は、たぶん最初のがいちばん面白くて、唯一無二のものなのである。藤森さんは正直に、僕は飽き性だから、と言っていたけど、もう時代は、路上観察学会以後なのである。
今は、スマホやらケータイやらデジカメで、それこそ気軽に路上でもどこでも、発見し記録し伝達し、表現のような共感のようなものを楽しんでいる時代だしねえ。よくもわるくも。
可笑しかったのは、「こーいうの赤瀬川さん撮るよねー」「僕が撮りたかったから撮ったんです」「藤森さんは全然反応しないでしょ」「えーこんなん撮ったかなあ」なんてそれぞれの見立てについてのコメント。仲良し学会においても、表現てのは孤独なものなんです。
写真は、懐かしの、松田編集長の筑摩書房「頓智」創刊号。

1月の停滞

新年が明けてあんなに新しく清々しい気分だったのに、この1月後半いよいよ寒くなってきて、なんだか停滞する季節なのである。出掛けるのも億劫で家に閉じこもりがち。ストーブ近くであったまっていると、すぐ眠くなっちゃうし。
それでひとつ処方箋として、針仕事をすることにした。布製の買い物袋が疲れてあやしくなって来たので、これに刺し子で補強することに。ちくちくちくちくやっていると、なんとなく気持ちが落ち着くし、刺激的な気分転換ではないけど、次のことにとりかかるきっかけにもなる。身近に裁縫道具を置いておく。さあとりあえず一本やって(刺し子用の糸一本分のこと)次行ってみよー。

ペーター・ツムトア(ズントー)の本

本屋で見かけた時、あっと思って手に取って、ツムトアって言われてもズントーではじまっちゃったからなあ、見過ごす人もいるかも、でも私がわかるくらいだからズントーファンならわかるか、とぱらぱらページをめくる。
ふんふん、文章のみ。デザインは葛西薫、写真は杉本博司、出版社はみすず書房。おーきてますねえと思いながら、えっ、三千円もするの?
しずかに本を置きました。バランス的にちょっと高い。いや読みたいし、よかったら買いたいとも思う。でも、ちょっと待て、になってしまった。
そういうときの、たよりになる味方、図書館。
読みました。でもやっぱりちょっと高いでしょ。文章も、講演原稿がほとんどなので、言葉でなにか構築されていることもなく散文的。詩情に満ちた建築をつくる人だから、それでイメージは合ってるけど、なにかもっと期待していたものはついぞ現れなかった。期待し過ぎ?
ペーター・ツムトア「建築を考える」みすず書房

新めがね

遠近両用の眼鏡をつくりました。近視もすすんでいるようで遠くはもちろんよく見えなかったし、近くも見にくくなったので、遠近両用ってどうよって意気込みで作ってみました。レンズのどこで見るかで見え方が違うので、最初はくらくらしちゃうよって言われていたのですが、大丈夫でした。きっと、もともとものごとをよく見てないんでしょうな。
フレームは、フランス製のへなちょこりんなデザインです。(というふうにお買い上げの場面では評されていた)顔のイメージが変わるので本人気にいっているのですが、見る側は微妙みたいです。でもそのうち慣れます。だいじょぶ。

やまぐちフラワーランド

ポール・スミザー氏が監修した「彩りの谷」が植栽完了したというのを知り、柳井にある、やまぐちフラワーランドに行く。
この「彩りの谷」はまだ来春に正式オープンなので、まだ植えたばかりの苗状態なのだけど、それもまた参考になるかなと思って。
ポール・スミザー本にたびたび紹介される、宿根の花や美しい葉を持つ草々が並んでいる。いくつかの固まりで植えること、隣同士になるものの組み合わせなど、まじまじと眺める。通路よりも高く石垣で持ち上がっている花壇が、植物が育ってきた時にどう見えるのか。また来春以降、見に来なくては。
そして、夏に向けて植えられたばかりの、花が美しく咲きそろった花壇などを横目に、園内を散歩。こういう、だっと植えてだだだっと花が咲いてうっとだめになってささっと抜き上げられる花壇は、見応えはあるんだろうけど。
苗の販売所にて物色。イポメアの葉っぱに、カエルを発見。すごくきれい。葉と同じグリーンの色。このイポメアとヒューケラとオカワカメとルブスなどを購入。
ポールの庭が近くにできて、嬉しいことです。