続きますが、やっぱり人生の本質を突く彼女の今度は、小学生中学生高校生時代の姿が見えてくる一冊。いいです。泣けます。自分の小学生中学生高校生時代を思ってまた涙も出ます。遠いけど、そのころのあたしは今確実にあたしのなかに存在しているぞと、本当に確認できる。だから歳をとるって幸せなことだ。
このシリーズは、祖父江慎氏のブックデザイン(知り合いの知り合いなので、なんとなく親近感があるのですが、この人もとっても不思議君。TVで見たらひらひらと踊っていました。でもデザインはいいです。著者として参加しているのが「オヤジ国憲法でいこう!」)で、いろんな人たちがヤングアダルト(最近、図書館にはヤングアダルトコーナーがあったりしますね)に向けて書いているのだけど、なかなか面白い人選。オールドアダルトでありながらも精神的にはヤングアダルト引きずってる人(はい、わたしですね)にも、とってもためになりますね。
シェルター&サバイバル展 広島市現代美術館
派手なポスターだったな。作品はどうだろうか。どうだろうか。難しい企画だなこれは。Kは、匂いがないから臨場感に欠けるのだと、会場を出る頃に話しかけてくる。そうだ、「ひろしまたろう」さんをここに登場させるべきだったのだ。広島の代表的シェルター&サバイバルではないか。出口にあったアンケートにそう記入して帰る。
春の花も爛漫気味。昨年12月に作ったハンギング、いずれもぱんぱん。K邸とH邸のハンギング。このハンギングバスケットも、植物にとってはかなりヘビーなシェルター&サバイバルだな
アトリエすおう工芸
我が心のすおう工芸店が、再び復活。今度は周東町に場所を変え、アトリエすおう工芸として、企画展のみ。
オープンは、倉敷堤窯、武内真木氏の展示会(2008.4/5-11)
宮崎氏は、あいかわらす嬉しそうに店に立っていました。自身が生まれ育った実家に少し手を入れ、すおうワールドができあがっています。自慢の蔵書も壁一面に並び、あれについてこれについて語り出せばきりがない。徳山のお店が閉まって、寂しがっていた者たちにとってこんなに嬉しい空間はないでしょう。
「ものが好きです。喜んで使っていただける美しい物をお世話したい。」案内葉書の文章にあるその言葉通りに、ずっと人生を生きてきたその集大成。宮崎氏の基地にまたお邪魔せねば。
「ミドリノオバサン」伊藤比呂美 筑摩書房 はつかいち市民図書館
あいかわらず、激しくも狂おしい人生を送っているだろう伊藤比呂美氏の園芸雑文。でも今度の彼女の愛の対象は植物だし、歳をとったせいで(本人がそう言っている)対象と自分との関係性をちゃんと達観しているし、波瀾万丈も息をひそめて穏やかな日常。
あーよかった。
それでもって、ちゃんと園芸の心得、1.植物の氏素性を知る(出生地など)、2.植物を分類して捉える(何々科に属する)、3.植物をかまう(葉っぱをふいたり、移動させたり、植え替えたり)、4.植物の生死を潔く受け入れる(だめなものはだめ、生きるものは生きる)がしっかり書かれていて、そのへんの園芸関係のノウハウ本やエッセイ本より(おしゃれな庭やら、きままな庭づくりやら)よほど園芸の極意を語っている。さすが詩人、ものごとの本質を語っているのである。