ギターもっと弾かせてギタリスト

鈴木大介氏のコンサート、IN広島市東区民文化センター。

もちろん期待通り。バッハもグラナドスも武満も全部全部、それぞれの違う魅力がしっかり味わえてため息が出る。

何よりも、惜しみないっていうか、もっともっと弾くよっていうかんじの大盤振る舞い。アンコールも何曲弾いたか。ほっといたらこの人朝まで弾き続けちゃうんじゃないかと、観客の方が終了時間を気にしていたくらい。あんなに「ギターと生きている」ということが、演奏のすごさにつながるんだろうなあ。

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リオオリンピック

そこまでオリンピックって興味なかったのですが、なぜか今年は結構テレビ観戦を楽しみました。よく考えると、こんなふうにいろんな競技を立て続けに、いろんな国のスポーツ選手を一度に観ることってないよね。

興味深かったことその1。卓球、バドミントン、テニスの3種の競技を続けて観る。ネットを挟んで、何かを打ち合う競技。相手との距離感、スピード感、打ち合うものの特性、打ち合う手の延長である道具の使い方、運動量、得点の仕方などなど。基本的には似たもの競技の、それぞれの面白さやしんどさの違いが繰り広げられて、面白かったのです。お気楽に、この三つだったら、どれが得意?どれが合ってる?どの部に入るう?なんて楽しむのはオリンピックならでは。

その2。陸上競技女子。それもトラックを走る競技のお姉さんたち。世界陸上とかのテレビ中継など観たことないので、こんなことになっているとはびっくりしました。スタート前に一人づつアップで画面に映し出されるのに、目が釘付けでした。もちろんすごい美人もいたりもしますが、それよりもその髪型やアクセサリーやネイルやを含めた、自己アピール力。美の基準は一つだけではなく、各人にある。なんというか、たぶん「私がいちばん速くて美しいのよ」ということを、そのスタート時に各々が世界に向けて立ち上げているというか威嚇しているというか。すごいなあ。戦うということはこういうことか、と思いました。そして、アクセサリーが衣服と共にあるのではなく、肉体と共にあるという存在感も、新鮮でした。

その3。やっぱりライブでしょ。その勝負の瞬間を観ることは、後でニュース映像で観ることとは全く違う体験。痺れます。勝者となって解放されたアスリートたちの姿を観ることは、にわか観戦者にとっても胸が熱くなるものでした。

(写真/閉会式の東京アピール時、赤地がきゅーっと中央に向かっていって赤丸になり日の丸になるところ、おお、と思いました。君が代のアレンジといい、つかみとしてはなかなか。日の丸に似ているってことでマイ応援Tシャツ)

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夏の関東2016

なぜか夏に行く関東方面。昨年に引き続き、サイ・トゥオンブリー。川村記念美術館にて写真展。一度は訪れてみようと思っていて、なかなかチャンスの無かった美術館。東京駅から直通のバスが出ているので、暑い夏には大変有り難い。湾岸を走っているのかなあと景色を眺めながら約一時間、高速をおりれば、なんというか、これが千葉か!のどかな風景がひろがっている。そして到着したのは、きちんと手入れされている広大な庭(たぶん。今回庭散策はパス。猛暑なのに全く痛んでいない植物、庭師がどれほど手を入れているかがわかる)と、静かにたたずむ建物。まずは、コレクションの部屋を一つづつ巡る。大変好みのコレクション。常設は大概流してしまうけど、ここはそうはいかなかった。ここで観られるか!とひとり静かに興奮しながらしっかり鑑賞。ロスコの部屋もじっくり鑑賞。部屋ごとに見張りのおばさんたちがひっそりと作品と化して座っている。すごく静かな部屋なので、邪魔しないよう存在感を消しながら存在するという仕事を全うされていて、ご苦労様と思う。

そして目当てのトゥオンブリー写真。よかった。期待どおりなかんじ。ドローイングと同じようなタッチの撮り方。対象にせまるとか、真実をあぶり出す、という方向と正反対を向いているような。展示方法(順番とか位置)も、関連あるものを並べたりして、そういうことにも遠目に椅子に座って眺めていて気付くという楽しさ。彫刻作品もいくつかあったり。「ロマンティックな象徴主義」と自分のことを語る(そういうところに魅かれるんだなと了解)トゥオンブリーらしい空間と時間を満喫したひとときで満足。

そして次には、横浜デート。数年前にこっちへ引っ越した友人と久々に再会。昼ご飯は中華街。そしておしゃべりがメインなので、場所は重要ではないのだけど、周りを意識すること無く語り合えた、静かなカフェに出会えたのがラッキー。古い銀行のビルをリノベーションして一階をカフェにしてある。ヨコハマ創造都市センターという名前で、上階はコワーキングスペースやファブラボがあっていろいろやっているらしい。おしゃれな空間を独占して(お客がほとんどいない)窓から暮れゆく景色を堪能し、そしていよいよ夜のみなとみらいへと繰り出すのであった。

 

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じゅんさんとオリザさん

みうらじゅん「ない仕事の作り方」平田オリザ「下り坂をそろそろと下る」

続けて読んだ本が、なんとなく同じようなことを示唆しているような気がして並べてみました。「一人電通」と「コミュニケーション能力」

お二人とも私と同じくらいの世代であり、同じように時代を過ごして来たわけで、そうそうと思うことしきりでした。

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建築小僧入門

建築を学び始めると、カメラを持って建築写真を撮りに行く、という修行が始まります。空間を味わって身体化し、カメラを駆使して写真に納め、自分の中に建築のストックを作っていきます。楽しいですよねえ。

というわけで、かつての小僧さんと小僧入門したての2人組が、広島市中工場(谷口吉生設計)を訪れました。

映画を撮りたくなるような空間。丁度お掃除部隊がせっせとガラスをきれいにしていました。維持費がかかるけど、大事なこと。

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