三原市芸術文化センターポポロにて。
前から4列目の席だったので、高橋アキさんの佇まいがよく伝わってきて、まるで彼女のピアノの部屋で演奏を聞いているような心持ちでした。
透明で繊細なピアノの音色でサティが奏でられ、アキさんのドレスは、印象派の絵のような美しいブルーのロマンティックなこれぞフランス風だし、思う存分その匂い立つような波長のなかに浸っていたのだけど、ふと、私にとっては今この瞬間は特別なものだけど、彼女はいつもこの波長のもとに生きているのだと思い至る。その彼女のピアノの練習部屋でも、こういう音が流れ空気が振れているのだ。いつもこのレベルのなかで生きているのだ。
サティの楽譜に書かれている言葉を語りながら演奏したり(歌いながらでなくしゃべりながらの演奏)、ビートルズのゴールデン・スランバー(武満徹編)(これはCDでずっと聞いていた)、シューベルトの美しい曲。
あー、ピアノを堪能しました。
帰りに、購入したCDにサインしてもらい握手してもらったら、柔らかな手の指には絆創膏があって、ちょっと日常の高橋アキさんを感じました。
ポポロにも拍手。小さな街にこんなすてきなコンサートを企画する箱があるっていいなと思います。