宮島弥山

澄み渡る青い空の季節。アウトドアをいかに楽しもうかと。

手軽な登山。近所のパワースポット。宮島の弥山に登ってきました。

紅葉にはまだ早い平日。観光客でもちろん賑わってはいましたが、登山コースはそうでもない。

行きも帰りも、道中すれ違ったのは20人くらいかな。半数以上は、異国の(アジア以外)の人たちでした。彼らは、気楽にアウトドアな旅行を楽しむのであります。

汗をかいて登った後の、見晴らしのよい眺めとお弁当タイムは、何よりのご褒美。新しい展望台も居心地がよく、昼寝でもしてしまいそうでした。

身体にはもちろん、精神的にも満足度が高く、これがパワースポットってものか、と思ったりします。

帰りの広電に揺られながら窓から弥山を眺め、ついさっきまであのてっぺんにいたのだと思うと、大変不思議。それもこの足で行ってきたのだと思うと、ますます不思議。

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パウル・クレーのだれにもないしょ

ここ数年でいちばん足を運んでいる美術館は、兵庫県立美術館。ちょっと観に行こうか、という気にさせる企画展がたびたび開催されるのである。

今回はパウル・クレー。

2011年のクレー展(国立近美などで開催)、おわらないアトリエというサブタイトルの企画がとても面白かったので、今度はどうかなと少し懐疑的な気持ちだったのだが、まあクレーをたくさん観られるのならいいかと思い、出掛ける。記念講演会で、この展覧会の企画者本人のお話が聞けるのも良し。

開館と同時ぐらいに到着して、ゆっくり鑑賞。しつこく鑑賞。後ろ髪引かれながら、会場を後にしてカフェでおひる。14時からお話。もう一度入場して観てもいいよというお許しがあったので、再び鑑賞。

昔は、解説や案内などに目を留めることなく、作品そのものよっ!というかんじで、ぐいぐい作品に突進していくような見方だったけど、最近はちょっと変わってきたかな。

企画にひと工夫あったり、企画者の意図があるような展覧会の場合は、案内されている事柄を理解することで、より展示を楽しむことができる。

特にクレーは、1990年頃から研究が進展して、いろいろなことが解明されてきている。そういうことを丁寧に観て行くと、またこちらのイマジネーションもあらたに刺激されるのである。

それにしても、クレーの研究ならやってみたかったよなあ。と、ちょっと嫉妬しちゃうのでした。

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オスカー・ニーマイヤー展 (夏の東京2)

模型は端正で完成度が高く(多分)、写真は美しく雄大な景色だし、映像のニーマイヤーはまるで映画俳優のよう。靴を脱いで歩くイビラプエラ公園インスタレーション(約500㎡)も鳴り物入りの役目を果たしている。

でもやっぱり、建築の展覧会は不満が残るのである。

建築体験は、そこにはないのである。

そんなことはわかっているのである。

ちょいちょいっとスケッチしたかたちがまんま建築となっているし、かたちが魅力あるので、模型や映像だけでも、まあわかりやすい作家だとは思います。

でも、実際ブラジルでニテロイ現代美術館を訪れた友人は、近づいて見てみると、おいおいっていう荒さだったって言ってたなあ。

ああ、これも、遠くから眺めるべし、なのかもしれない。ブラジルは遠いんだしね。

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CY TWOMBLY – FIFTY YEARS OF WORKS ON PAPER (夏の東京1)

収蔵品の中に1.2点あったり、展覧会の出品作のなかに見つけたり、画集を眺めたり、そんなふうにしか観ることのできなかったサイ・トゥオンブリーだったので、これは見逃せなかった原美術館の展覧会。欲を言えば作品量的にはもっと観たいーのだったが、作品選定は(生前)作家自身が行ったものだし、原美術館の空気感と相まって、満足できる内容だったと思う。

アメリカ抽象表現主義にはそうまで魅かれないけれど、この人はなんだかいいなと思っちゃう。なんでだろうね。線かなあ。うーん線ねえ。と観ているうち、これは見たことあるような線、な気がしてくる。Tがまだ形にならない絵を書き始めたときの絵。というか線の軌跡。というか手と腕の運動。というか紙と筆記具の一期一会。まだなにかを書こうという意思が全くないような、でもなにかを書きたいような。なにかである必要を考えることなく、引かれる線。

まあ、抽象表現は子供でも描けそうな絵、という比喩はよく使われるんだけど。

まさしくあの頃、描いて描いて紙が束になっていた、線をぐいぐいぐるぐる描いてお絵描きしていたTのあの絵。それを眺めて、んーこれはなかなかいいね、とかこれはもうちょっとつまんなくなったね、なんて言っていた母。

そんな1歳児の描く絵を、だれが今もって描けるだろうか。

でも「この線がいいよねー」なんていう感想も、ちょっと眉唾で、興醒めですね。

もうひとつの発見は、色が氾濫している後半の作品たち。これらは、2作品、4作品等、同じタイトルだったりシリーズだったりするものが組み合わされて展示されている。これ、距離を遠く離して観てみると、とても良かった。近い距離からだと筆のタッチや色の混ざり方に目線が引き摺られるのが、遠く眺めることで、なんだろうそこから詩情が滲み出てくるような。まあ、遠くはなれてみると、いい思い出になるようなもんかな。

また機会があったら、少しづつでも時間をかけて観ていきたいような、そんな作家でした。

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沖縄の風

沖縄から、友人が来ました。屋根に植物を生やした車で、日本縦断している途中です。

話を聞いて、写真でも見ていましたが、実物が目の前に現れると、わーおっ!ってかんじです。

最初は芝を植えたところから始まり(紙おむつを使って保水を確保したり、車検の時にははずしたり、様々な逸話は省略)今では、落ちてきた種で育ったガジュマルを中心に、ワイルドな庭状態になっています。飾り付けたような白々しさがないたくましい植物は、沖縄の風をはこんできたってかんじ。

 

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