普段はほとんどテレビは観ない生活ですが、年末はNHKの科学系の番組、年明け早々はサッカー番組を観ました。
そこで強く印象に残っている番組は、NHKの進化の番組。
片づけをしながらだったので、タイトルも詳細もはっきり憶えていないのですが、少なくとも僕がこれまで観たり聞いたり教わったりした内容とはかなり違う内容(学説?)でした。
個別には報道等で新説が発表されていたのかも知れませんが・・・
一番印象に残っているのが、2億5000万年前に地球上の生命体の9割が死に絶える大惨事があったとか。もちろんある短期間ではなくて、10万年という長い期間での減少ですが。。。
原因は、二酸化炭素増加による地球の温暖化と低酸素化。
二酸化炭素が増加して温暖化するだけなら大した事はなかったのでしょうが、現在新エネルギー源として注目される海底深くに眠るメタンハイドレード(シャーベット状のメタンガス)が温暖化によって大気中にメタンガスを放出し、より温暖化を加速するに至ったようです。
その連鎖反応で酸素も大量に減り、生命が9割死滅したとのことです。
もちろんそれ以外にも地球では何度も大量絶滅があって今に至っているのですが、問題は現在が、その時よりも200倍のスピードで温暖化が進んでいるということ。
単純計算で500年。連鎖反応で加速するなら200〜300年で同様の低酸素状態にならないとも限りません。
これまでの人間の歴史では、科学的(や非科学的)な推測が未来の危機をあおり、徒労に終わることもあれば、危機を未然に防ぐことに成功したこともあります。
エネルギー源の枯渇という予測からはじまったオイルショックは、石油は相変わらず危機状態が続いていますが天然ガスやメタンハイドレードが数百〜数万年分あるらしく、どうやら杞憂に終わりそうです。
一時心配された食料問題も価格上昇はあっても飢餓に至るかどうかは心配しなくても良さそうです。
しかし二酸化炭素増加が化石燃料の燃焼が原因であり、中国インドなど途上国が先進国化経済に移行することが十分現実的である以上、二酸化炭素が減ることはありえない。これは、未来も含めたマクロな枠組みで取り組みべき問題で、国際的には前に進みつつあるという状況だと思います。
が、特効薬がある訳じゃない。
日常生活ではゴミの減量、建築や生活では冷暖房のエネルギー源等の検討は簡単に思いつきますが、焼け石に水でしょう。(というとうちで怒られました。)
先ずはこれまでのアメリカ型の便利な生活をあきらめるようにしないといけないなあと書きながら思っています。物を買い、ゴミにすると焼却やリサイクルにエネルギーが必要です。できるだけ物を大切に使うことが重要になってきます。安い物をまめに買い換えるのではなくて、高くても長く使えるものを買うような・・・
しかしこれは、日本の戦後経済の根本的なポリシーを大きく転換させることになります。
国民がテレビのコマーシャルを観て、電気製品や車やハウスメーカーの家や子供のおもちゃを欲しがります。どれも、厭きやすく、簡単に壊れます。これによって日本経済は維持されてきたのです。
ゴミを減らすということならまだしも、消費すなわち生産を減らすと言う方向に果たして変わるのか?
よっぽどの強い制約が無いと無理でしょう。
二酸化炭素排出を国際的に激しく管理することができれば、それも可能かも知れない。江戸時代末期、日本は耕作地にほぼ限界に達したらしいです。当時の農業技術で3000万人分の米が上限となったそうです。それが経済の停滞を生み、逆に刹那的ではあるけど文化の発達があったと言われています。
もちろん開国でその限界が取っ払われたのですが・・・
エネルギー問題解決の大きな可能性を秘めていると言われる燃料電池も、現実に普及するにはまだ10年以上かかりそうです。そうなると、現在のエネルギー体制のまましばらくいくことになります。
現在は、市場で販売されているもののエネルギー効率については非常にロスが多い。自動車も建築も。
基本的にはパーツや機器が単一の機能しか担っていないので、自分の性能を出すためにエネルギーを使うことしか考えられていないのが現状です。
しかしエネルギー保存の法則というものがあるように、エネルギーが消費されると言っても実は別の形に変わっているにしか過ぎない。(基本的には熱ですが)
それを回収して再利用する発想ができれば、とりあえず一歩進むと言うことが出来ます。
発電と給湯を行うコージェネも電気のヒートポンプでお湯を沸かす機械も家庭用に販売され始めました。しかし換気やヒートポンプエアコンでロスしている熱の再利用などは、北欧に比べてまだまだという感じです。このあたりは数年もすれば多少の改善もあるかもしれません。
しかし省エネと言いながらやたら複雑な装置をつけて、イニシアルコストに大金をかけるのも大きな矛盾があります。
一番効果的なのは、暑さ寒さにもっと鈍感になることでしょうね。
ラフカディオハーンが松江で悲観!した、外に雪が積もっていて中と紙一枚でしか遮られていないのに日本人は平気だ!という温熱感覚。
乾布摩擦でもやろうかな。