W杯初戦とメディアとオシム。

昨日は、日本は見事な連携で強豪のカメルーンに勝つことができました。
岡田監督の大胆な方針転換と、チームの一致団結が、結果につながったと思います。
監督の勇気と、スタッフの苦労、選手の努力を評価したい。
その逆に振れたのがカメルーンでした。
報道によると、外国のメディアは、、、
イングランドやデンマークは低調な試合。ロシアはHONDA Good!。イタリアのリッピは評価。
イタリア人好みのサッカーだったと言うことのようです。

興味深かったのは、オシムのコメントです。
常に前向きで、あたたかく、大きくて深い。
選手やチーム、サポーターだけでなく、メディアに対しても。

オシムがユーゴ代表監督をしているとき、ユーゴ国内の民族対立が激化し、内戦が始まりました。僕がお隣のトルコやギリシャを旅していた時ですので、その時の驚きと、空気感はなんとなくわかります。
そして代表チームも崩壊し、オシムは監督を辞任します。
ひとつの国で仲良くやっていたはずなのに、民族対立が激しくなっていって、それに大国の思惑や、民衆のヒステリーが加わり、誰も止められない事態になりました。
あの悲惨で多く人たちが苦しんだ激しい内戦が始まった原因の一つに、メディアもあると言っていました。
メディアを恨んだとしてもおかしくない状況でありながら、オシムはメディアと対応するとき、常に明るくジョークを忘れず、しかし繊細にそれをコントロール(いい意味で)しようとしているように思います。
上記のコメントでも、メディアの持つ弱点とストロングポイントを十分考慮した上で、明るい未来につながる発言をしていることが伺えます。
母国から遠く離れた外国のサッカーの監督という、非常に特殊な専門職であったのですが、文化や社会のあり方について学ぶべきことが多い人です。

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