久々の倉敷

倉敷の大原家旧別邸有隣荘の特別公開で田窪恭治さんが襖絵を描いてるというので観に行ってきました。
いつもの長い長い筆でさらさらっと描いてるもので、不思議な空間を作っていて非常に面白かったですね。
昭和のはじめに建てられ、かつて大原家が住んでいたという有隣荘も、面白い建物でした。
西洋の生活様式と、日本のお座敷を融合させたもので、伊東忠太が監修してるというものです。
富豪の生き方というものを垣間見れたひとときでした。

大原美術館も、本館と民芸館をゆっくり見ることが出来ました。
第一次大戦後から第二次大戦までの間に欧州の絵画市場で作品を大量に買い入れてくるということは、当時の日本の状況を考えるとすごく大きな仕事だったと思うし、その頃のパリは20世紀でも特に面白い局面だったと思います。
美術館のスタッフも、おばあちゃんの一歩手前の大先輩も多く、長く美術館を支えてるという気配が、美術が完全に根付いているという厚みある存在感を感じさせてくれます。
継続は力なりですが、そのためには誇りを持った人が居続けるということを意味してるんだなとも思いました。
民藝のコレクションもよかったですね。
その後、街をぶらぶらして、蟲文庫で本を買って帰りました。

倉敷のような重厚感のある文化都市をつくるためには、巨大な財産が必要かもしれませんが、かといって金があればそれができるわけでもない。
文化が社会に必要なんだと心の底から思う人の時間的、空間的な厚みが必須な気がします。
自分が、自分の生きてる地域の中で何をやっていくのか?という事を改めて考える機会になりました。

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