グラミー賞とwinnyとsony

ジョブズがグラミー賞をもらったようです。
「音楽を世界中にデジタル配信することを可能にしたこと。同時に、数々のソフトウエアを開発し、ミュージシャンたちのレコーディングを安価で容易にしたことなどにより、音楽界に著しく貢献した」というのが受賞理由。
Appleがこのジャンルに進出する事は、ビートルズのアップルレコードとの協定で長く制限されていたことでした。
ジョブズのAppleの音楽に関するビジネスが、ビートルズのアップルレコードと混同する消費者がいるから商標権を侵害するということで。
それでAppleは音楽に関するビジネスに参入するときに多額の費用をアップルレコードに支払う事にしたそうです。
Appleは携帯音楽プレーヤーを皮切りに、ネットでの音楽販売や携帯電話などへの参入が続き、パソコンを超える収益を生む基幹事業となって今に至っています。
以前から言われているのは、Appleがやってきたことは、Appleが師匠として目指すべき存在として君臨してたSONYがすでにやってきたことだったということ。
パソコン、OS、携帯音楽プレイヤー、音楽の流通、携帯電話など。ほとんどがSONYが先輩と言っていい。
しかしSONYはAppleに負けてしまって、追いつける可能性もない。
既得権益を自らに内在してしまって新しいビジネスに参入できなかったということなのでしょう。

ジョブズがグラミー賞をもらった前日、winnyの開発者が訴えられていた裁判で、開発者が無罪となったというニュースが流れました。
かつて、インターネットが一般に普及したとき、個人と個人の間に直接情報交換する手段ができました。そのとき、そのツールを開発した技術者が告訴され、それをビジネスにしたジョブズがグラミー賞を取り、その既得権益に尻込みしたSONYは今のような会社となってしまったわけです。
新しい技術が開発され、若い人たちが熱意を持ってそこに飛び込んだとき、それをどうとらえるのか?そのときの対応が、結果に現れた事象だと思います。

新しい世代の動きを、現実の世界に調和するように既得権益を調整し、自分たちのビジネスに取り込んだAppleは企業の存在を大きくシフトしましたし、ジョブズは大きく賞賛されました。
新しい世代の動きを、既得権益への挑戦ととらえた行政や、古い企業は、裁判で負け、ビジネスで大きな敗北をしました。
こうしたことは、音楽の流通のようなことだけでなく、日常にありふれてるような事だと思います。目の前に現れる新しい現実、自分がそれにどう向き合うのか?
勇気とそれを裏付ける自信。自信を持つにふさわしい日常の行動。
その重要性を感じたニュースでした。

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