平清盛 その2

大河ドラマ第一話が終わって、早速世の中がざわざわしてる感じです。

一つは映像表現について。
どこかの自治体の首長が、気に入らなかったようです。
確かに、時代劇よりも映画に近い表現なので、時代劇を期待していた人は多少びっくりしたかもしれません。
ただ、坂の上の雲や龍馬伝あたりからこの路線だったと思います。
地上デジタルに切り替わる時期に、撮影機器がごっそり変わったようで、映像の階調の深みを表現できるようなカメラが導入されたようです。
龍馬伝でもこまかな土埃が舞う空気感が表現できていましたし、小汚い岩崎弥太郎が話題になったと思いますが、恐らくアナログ時代ではそこまでの表現力は無かったと思います。
坂の上の雲も、一切スタジオで撮影してないんじゃないかと思うくらい自然な光のようなグラディエーションや、吹雪や闇が表現できたように思います。
今回は、海賊や平安時代の京の風景を描くところから第一話がスタートしたので、大河ドラマが公共事業かのように勘違いした人がびっくりしたのでしょう。気にせず、今のまま頑張って欲しいものです。
平安時代の風景といえば、今昔物語やそれを元に書かれた芥川龍之介の小説が有名ですが、あんなもんじゃないですね。
京の朝廷や貴族の政治と、温暖化による飢饉が重なった日本が一番しんどい時期でしたので、そこを直視しない限り、東国武士による政権奪取は理解出来ないとは思います。

もう一つは、独特な用語について。
朝廷の中の法皇や上皇、天皇など天皇家が権力を握った時代、それを表現するために王家という言葉を使っています。
恐らくこういう場面で使われるのは初めてだったので違和感があったのですが、そう感じる人は多かったようです。
完全に間違ってるわけでは無いようですが何度聞いても違和感は残ります。王家というとエジプトのスフィンクスが連想されますので。
白河法皇がえらく迫力ある人物に表現されてて、これが教科書で読んだ院政かという感じですが、その前は藤原道長や頼通がそのポジションで権勢を振るってたわけですので、天皇家だけに東国が反発したわけではなく、奈良時代から続く藤原氏を中心とした朝廷の長い長い理不尽な増税や強引な権力の行使があったというところもポイントだと思います。

単なるヒーロー物ではなくて、時代の背景も含めて描こうという意識も感じますし、映像のチャレンジもやってる。
視聴率は悪かったようですが、期待できるスタートだと思います。

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