一つになった集団の強さ

比嘉がやってくれました。
U23のチームで、ムードメーカーだった比嘉。
新しい選手が加入すると、監督は必ず比嘉と同部屋にしていたそうです。
それまでの人生で、誰にも負けたことのないような連中が集まる代表チームなので、相性や個性の問題もあるもの。特に、2年ごとの大会のU21W杯チームの2大会チームが合流する五輪チームは、昔から融合は課題でした。
その難しい課題を解決してきた比嘉の力は誰もが認める大きなものだったようです。
とはいっても、なんてことはなく、新しい選手やややこしい選手をひたすらいじっていじっていじり倒す・・・ということだっただけですが。
その比嘉が五輪メンバーから外れた時、チームがどうなるんだろう?と先ずそっちが心配になりました。
長い期間一緒に暮らして短い間隔で試合を続けていくので、オフ・ザ・ピッチが特に重要になります。
それを失敗してしまったのがドイツW杯。

しかし、比嘉がやってくれました。
自分が参加できない五輪チームのために、いじりDVDを作成し、選手に託していたのです。

長年参加していて、出場権を獲得した五輪に参加できなかったということは、悔しかったと思います。
それを素直に表現した選手もいましたし、出場する選手にエールを送る選手もいました。
しかし、自分にできる最大の能力を活用して、選ばれなかったチームのために活動した選手は初めてじゃないでしょうか。

スペイン戦の驚異的な集中力や、驚異的ながんばりの理由はなぜなのか?
勝った時の大津の涙の理由は?
いろいろ疑問符のついた五輪初戦でしたが、これで腑に落ちました。
ここまでやってくれた比嘉に報いるためには、選ばれた選手は全力を尽くすしかないでしょう。
美しい心の持つ力を感じることができた小さなニュースでした。

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