お伊勢さんとお稲荷さん

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あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

年末は、愛知県豊川に里帰りする途中、伊勢・志摩地方に立ち寄りました。
一番の目的は、海女の里・相差で伊勢海老と鮑を食べること。結果大満足。
産地で食べるもので外れなし。海と森の豊かさと感じます。

翌日は伊勢神宮の外宮にお参り。
一昨年に、外宮と内宮がお参りしているので、今年は時間の都合もあって外宮のみにお参りしました。
内宮はアマテラスを祀る国家を代表する神宮ですが、外宮は内宮のアマテラスをお世話する衣食住の豊受大神を祀ってるので、建築を設計する人間としてはどちらかといえば外宮のほうがしっくり来ます。
今年は式年遷宮の年なので、今の社殿を見るのも最後です。
茅葺きの屋根は、緑の苔や、朽ちていたりするなど、20年の痕跡が残っています。

豊川に行った後、妻の実家の近くの豊川稲荷にお参りしてきました。
年末なので、お寺もテキ屋も準備を着々としてる感じで、非常にスムーズにお参りできました。
豊川稲荷は他のお稲荷さんと違って純然たるお寺ですから、線香の香りや聞こえてくるお経など、どことなく新鮮です。

お伊勢さんもお稲荷さんも、江戸時代に爆発的に参拝がブームとなったようで、こうした神社仏閣にお参りするのは江戸期の大衆文化を思い返す良いきっかけになります。
伊勢神宮は元々天皇家の神社だったので、公家ですら参拝は禁じられていたようです。
古墳にルーツを持つ(?)神社は、古代の権力者からの権限移譲の儀式のものだったようですから、天皇以外の者が、アマテラスから権限を移譲することがあってはならないということだったのではないかと、ふと想像したりします。
そんな古代の歴史がほとんど廃れた江戸時代、東海道中膝栗毛の弥次喜多がお伊勢参りの最も有名なエピソードですので、そういう愉快な旅行が日本中で繰り広げられていたと想像すると、伊勢界隈のイメージも膨らんできます。

お稲荷さんは、広島にもとうかさんと呼ばれ、祭りでも人気の稲荷大明神がありますが、やはりこれも江戸の稲荷信仰が有名です。
江戸の武家はそれぞれの家にお稲荷さんを祀っていましたが、一年の初午の日には、庭を公開し、そのお稲荷さんの社を町人が順にお参りして歩いたそうです。
英国の田園地帯の邸宅のオープンガーデンみたいなものでしょうか。
その中でも、大岡越前の屋敷が人気だったそうです。立身出世と防犯にご利益があったとか。
そういえば、豊川稲荷が経営する豊川高校が駅伝で大活躍したとして、去年は話題になりました。
信用金庫の強盗事件、今年のB-1グランプリの開催と共に、地元のオバチャン達の三大話題だったそうです。

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