東アジアカップ第二戦は、第一線から11人全員入れ替えての戦いとなりました。
広島勢はCBに千葉ちゃんが出場。
ザッケローニは、両SBを同時にかつ積極的に攻撃参加させることを以前から狙っていて、3バックにしてみたりするなど様々な試行錯誤をやって来ました。
しかしうまく行かず。
今大会では、通常時は4-2-3-1の4バックですが、攻撃時には両サイドバックが上がり、CBがサイドに開いて、開いた中央をボランチ1枚が下がって3バックになるという変則3バック戦術をとっています。
この試合では、決定的な縦パスを出すことができる千葉、鈴木大輔がCBに入っているため、その戦術の効果も見どころでした。
そもそも、今大会で誰が招集されるのか?という予想がされていたとき、守備が強いCBと攻撃力のあるCBが半数ずつ選ばれるのではないか?と予想していた人がいました。
その人は広島では塩谷ではないか?と予測していました。対人プレーに強く、ボールを保持しながら上がっていって攻撃に参加することもでき、シュートも打てるいい選手です。
しかし選んだのは千葉ちゃん。
千葉ちゃんは前線からのプレスされてもボールを奪われることない技術と鋭い縦パスが特徴です。そのCBの縦パスの力を選び、前線に上がっていくCBの力を選ばなかったとも言えます。
同時に、槙野森脇はSBとして招集されたことも、ザックがCBに望んでいることがよくわかると思います。
チューリオを招集しろという声もありましたが、当面ないだろうということも。
この第二戦は、いわばD代表による試合。これまで70人以上招集された代表の下位に位置する選手たちですので、この中の1〜2人がサブとしてブラジルに行けるかどうか?というのが現実だと思います。
なので、個の選手のテストという要素もありながらも、戦術のテストという要素のほうが多いのでは?という見方もできます。
後から考えれば、、、変則3バックとそれにともなう攻撃のスイッチのポイント。ここは重要な見どころであったと思います。
今のA代表の課題は、攻撃のスイッチが遠藤から。それも遅攻が中心。リードしていてもカウンターを狙って突き放すことができず、一本調子のショートパスで崩すサッカーばかり。
結果的には、この試合はA代表とまるっきり違う選手たちが欧州型チーム相手にいいテストが出来た試合だったと思います。
3点のうち2点はCBからの縦パスが起点。逆に失点はSBの役割の曖昧さや、CBの連携が課題でした。
そういう意味で、攻撃の起点の追加と、3/4バックの切替時の最終ラインの守備の役割の整理をすれば、日本代表に新しい引出しが増えると思います。
次の試合は、C代表とD代表の統合でいいテストを締めくくることができればと思います。