激しい韓国の攻撃にさらされた90分。それに耐えて1失点に抑え、カウンターから2点とってなんとか大会優勝をかざることができました。
この大会は、代表に選ばれていないメンバーを中心でかつ若手を中心に招集され、三試合総替えで望むという試験的な大会となりましたが、結果もしっかり出しました。
短期間でチームを作り上げる総合的な力、戦術も試合で明らかになった課題もすみやかに吸収する理解能力と実践能力。
これらが一番の収穫だったのではないでしょうか?
ともすれば個人の力をアピールしたがる状況であったにもかかわらず、それぞれの役割を誠実に果たそうとした23人にふさわしい優勝という結果だったと思います。
韓国戦は徹底して韓国に押し込まれていましたが、この大会韓国は無得点無失点だったことでもわかるように守備が堅く、ゴールに嫌われていた。
この試合でも日本の守備の集中力が強かったこと以上に相手に決定力が無かったことも幸いしたように思います。
ただ、前線や中盤の守備が効いてなくて、最終ラインもずるずると下がっていった状態で、下手なクリアが更にピンチを生むという悪循環でした。三試合では改善しなかったポイントでした。
日本の一点目は青山から裏に向けた一発の長いパス。
青山がボールを持った瞬間、このパスに備えて動き出していた柿谷の頭のなかには、広島の佐藤寿人のことがあったと思います。
青山-寿人のホットラインをイメージして準備したら、ドンピシャのボールが来た。そんな感じ。
柿谷は日頃寿人の研究をしてるようですから、その成果がこういうところに出たと思います。
この一点があったこそ、その後の守備を耐え忍ぶことができたと思いますし、韓国に焦りを生じさせる結果となったことから、試合を決定づける二人のプレーだったと思います。
二点目は後半ロスタイムの相手のカウンターから西川がボールを保持し、左サイドの隙を見つけ、駒野-原口シュート。こぼれ球を柿谷がゴール。
これも、時間が残り少ない状況でも、ボールを大切にして相手の隙をつく西川や駒野の冷静な判断。あの時間の原口の突破力。柿谷の技術の結晶でした。
この試合も二戦目も、攻撃の流れを読める後ろの選手からのボールでカウンター攻撃の得点が多かったというのが、普段のA代表と異なる点だったと思います。
W杯では一次リーグでは優勝候補の強豪や中堅国と当たります。せめてここで1勝1分以上の成績を得るためには、華麗なパス回しで・・とは望めない場面が多く出てくることは南アフリカでも体験済み。この韓国戦のような状況は十分あり得ると思います。
アジアでは強者として振舞えても、世界では弱者として強者といかに戦うのか?という課題を解決しなければならない。
南アフリカでは大会直前に岡田監督は戦術の大転換をし結果を残しました。
ザッケローニ監督は本戦を視野に入れた戦術の転換をこれから試みていくのか?
例えば、本戦でブラジルと引分け、イタリアに勝つためにはコンフェデとは違うサッカーをしなければならない。
そこに着手するのか?これまでと同じメンバーで?
というところがこれからの代表戦を見る上で興味深い点だと思いますがいかがでしょうか?