宮崎駿さんの引退会見

昨日、宮崎さんの引退会見をネット中継していたので観ました。
引退後も、愛妻弁当を持ってアトリエに通勤するとのこと。
ジブリを引退するわけでも、クリエーターを引退するわけでもないので、先ずは一安心というところです。
じゃ何から引退するのか?
長編アニメの監督/演出業を今後やらないということのようです。

記者会見の中で、何度も何度も語っていたのは、長編アニメの監督業はつらくて、向いていないということだったと思います。
絵を動かすことにかけては、世界で最も素晴らしい力を持っているのですが、監督業はまるで別の才能が必要な仕事。
本人にしてみれば、二足のわらじを履いて仕事をしてきて、やっと本来の絵を描く仕事に一本化したいということなのでしょう。
監督業を引退することで自由を得るという発言も何度もしていました。

僕はハイジ世代なので、藁のベッドにシーツを掛けるシーンや溶けたチーズをパンにのせるシーン、美味しそうな白パン、高原の春の草花など、思い出に残るシーンはたくさんあります。
初めて演出した未来少年コナンも、飛行機の翼の上で足の指でリベットをつかんで体を支えるシーン。ラナを抱きかかえたまま高層ビルから飛び降りて、足の先から頭の先に痛みが突き抜けるシーン。
数限りないほどのシーンを、映像の技術で僕達に届けてくれました。
しかし監督業との二足のわらじが、映像をつくる本来の才能を制限していたのかな?と言葉の端々から思わざるを得ませんでした。
高畑さんとの関係がどうなったのかよくわからないけど、少なくとも高畑さんと同等の監督が出現することはなかったのだから、これも仕方のないことだったのでしょう。

お疲れ様でした。
ありがとうございました。

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