昨日のベラルーシ戦は0-1の負け。
その後ポジティブな反応は一切なかった。当然でしょう。
勝つための方法は幾つもあったはず。それは途中出場した山口螢が指摘していました。
相手の裏に抜け出す動きをしていた柿谷を使うこと。ミドルシュートを打つこと。つなぐ回数を減らしてもっと速いテンポでゴールに迫ること。効果的なカウンター。ハーフナーを投入した後はシンプルに電信柱を使ったパワプレーをすること・・・など。
テレビを観てた人はほとんど同じ感想だったと思いますし、解説者や評論家も似たような戦評だったと思います。
問題は、なぜそのような戦い方をしたのか?又はなぜ勝つ戦い方をしなかったのか?ということになります。
ただ勝つためであれば、他の選択肢で戦えばよかっただけです。他に引出しが無いわけじゃないので、その引出しにこだわった理由が何なのか?を考えることがこの2戦の意義となると思います。
先ず、ザッケローニは欧州南米の強豪と華々しく戦って勝ち、ベスト8、ベスト4になることを目指してチーム作りをしています。
一次トーナメントを勝ち抜いてベスト16になることを目指しているわけではありません。少なくとも現時点で。
そこが前回の岡田ジャパンとの大きな違いです。
コンフェデから現在に至るまで、強豪とがっぷり四つで勝つにはどうすべきか?現時点のメンバーを洗練させることでその形をひたすら探っていると思います。
新メンバーは、あくまでもその形に近づくためによりよいピースを探すことはあっても、大きく入れ替えることがないのは、形を探している最中だからだろうと。
本田、香川、長友、岡崎、内田、遠藤を固定し、残されたピースの1トップである柿谷をそこに合わせることができるかどうか?というあたりが今回のチャレンジの一つでしたが、結果は上手く行かなかったようです。
両サイドを上げるために3バックにしても、全体の攻守の重心は変わることなく、単にバランスを崩しただけでした。3バックにするために交代枠を1枚、4バックに戻すために交代枠を1枚使いましたから、今の面子では交代枠3枚しか無い公式戦では実行はかなり厳しい状況にあると思います。
親善試合の回数を考えると、今のチャレンジをいつまで続けるのか?
スペインやイングランド、ブラジルとガチンコで勝つことをいつまで目指すのか?
というところが今後のマネージメント面での焦点になると思います。
W杯直前の合宿で方針を変えても間に合うので、来年の春まではやれるところまでやるという手もあるかもしれませんが、選手たちの自信や国民の期待はそこまで持たないかもしれません。
高い目標のままチームが不安定なまま為す術もなく惨敗したドイツW杯の苦い記憶と、最低の期待感の中で直前に現実路線に舵を切った南アW杯の健闘。
どちらかのようになるのかそれともそれ以外のやり方を選択するのか?
新興国なのでどっちに転ぶかわからない不安定さも、興味深い要素だったりします。