能年玲奈ちゃんが映画「ホットロード」で主演するそうです。
「ホットロード」は少女漫画の世界では、伝説的といえる作品で、1986年より別マで連載。
春子が東京に行ったのが86年。その2年後なので、彼女の部屋の本棚には並んでいないという感じ。
中学校の頃、漫画好きな友人から大量に漫画を借りて読んでたころがありました。中に少女漫画の名作もあったので、いくつか読んでみるとあまりの面白さにはまってしまいました。知らなかった世界を知ってしまったカルチャーショックというべきか。
少年漫画や青年漫画は週刊誌の連載が多いせいか、ストーリーが単純で一話が短いものが多い。
表面的な刺激に走るものが多いように思いますが、少女漫画は月刊誌の連載が多く、ストーリー構成がしっかりしているし、人の心の内面や微妙な感情を丁寧に描いてるものが多いように思います。
子供の頃から小説が好きだったので、そういうものを面白いと感じたのでしょう。
青池保子の「エロイカより愛をこめて」「アルカサル-王城-」、吉田秋生の「BANANA FISH」「吉祥天女」「桜の園」、成田美名子の「エイリアン通り」「CIPHER」あたりはかなり印象に残っています。
「ホットロード」も細かい筋は覚えていませんが、大人社会とつじつまが合わなくなった少年と少女の微妙な心を丁寧に描いていたことは強く印象に残っています。
たまたま主人公が暴走族だったというだけなので、ヤンキー漫画と切り捨ててしまうのは惜しいと思います。
世代的には金八先生、尾崎豊、ホットロードという流れ。
吉田修一の「悪人」や、金閣寺炎上を描いた水上勉の「五番町夕霧楼」、年代は違いますが仏映画「禁じられた遊び」などと近い話だった思いますので、からっと描くのか、じっとりと描くのかは楽しみなところです。