この本は、もう一人のスティーブの自伝。
いわゆるスティーブ・ジョブズは言うまでもない英雄で、様々な場面で語られてきましたが、こちらのスティーブは、まるっきり正反対のキャラクターでありながら、多くの人達の尊敬を集めている人物。
二人がAppleをつくったのち、ウォズが外され、ジョブズがMacintoshをつくり紆余曲折を経て今に至っているという感じ。
Macintosh以前のAppleや、そこで創りだしたAppleI、AppleIIそしてパーソナルコンピューターを産んだエンジニアがこの愛すべきウォズでした。
長い時間をかけてインタビューすることでこの本をつくっていますから、物事を伝えようとする姿勢や語り口が、ウォズの人柄をうまく表現することに成功しています。
Appleが素晴らしい製品を生み出す土台を作ったのがウォズであると同時に、パーソナルコンピューターの土台をつくったのもウォズだった。
この最初の土台の部分をうまくやれるかどうかはその後のそのジャンルの成否に大きな影響は有ります。
例えば、日本の電気が東西で50Hzと60Hzになってる。このことが、東西の電力の融通を阻害する上に、今更一本化もできない。こういう最初に埋め込まれた根本的な欠陥は意外とあるもの。
しかし、コンピューターがパーソナルなものになる土台のところでウォズが果たした成果のお陰で、世界の人たちが、自由で手軽な道具として無くてはならない物になってる。
Appleが成功せず、大企業となっていなかったら
Appleに参加せず、hpで働きながらAppleIIの設計をしていたら
ウォズがエンジニアとして一線で仕事し続けていたかもしれない。
すると、もっと多くのわくわくするような発明がもたらされていたかもしれない。
そう思わせる本です。
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