三連休の後半、知人のヨットで大三島に参拝してきました。
今回は、船長と僕の二人だったので、ボースン兼AB船員という役割でした。
出発は朝7:00薄闇の中の出港。
音戸大橋をくぐって、安芸灘大橋をくぐり、とび島街道と平行する形で岡村島まで行き、最後に大三島の宮浦港に入港しました。
愛媛県の基準により、1泊の停泊料は10円でした。
大三島は、オオ御島。ヲヲ御島。
大山積神を祀る大山祗神社で名高い神聖な島です。
大山積神の娘が、アマテラスの孫のニニギノミコトと結婚し、海幸彦、山幸彦を産みます。
山幸彦の孫が神武天皇ですから、初代天皇のおじいさんのおじいさん。
西日本は今でも母系が強い社会ですので、母方の祖父は力強い存在です。
そういう母方の祖父の中で、一番強く古いのが、この大山積神というわけです。何しろ、婿の子孫が天皇なのですから。
地鎮祭など神事には海のものと山のものを平等に備えますが、この段階ですでに両者等しく誕生していることがわかります。
大三島にアプローチする前に、右手にきれいな岬が出ていました。
岡村島の正月鼻です。
ここには、丘の頂上に前方後円墳があったとのこと。
大三島を守る守備隊長を祀っていたのか?
西に向かって開く湾の入口にあり、周囲を見渡すことのできる絶好の場所でした。
宮浦港から大山祗神社まで、古い参道を通りましたが、通りに人影は無し。
と思ったら、古い焼き杉の建物に前に、自動車のカフェ。その建物は若者が修復中。
話を聞いてみると、ギリシャの映画を上映するとのこと。
参拝の後鑑賞。
不景気のギリシャで、若者が長寿で有名な離島に渡り、ジャム作りや農業にいそしむ。
自分たちのスタイルを貫こうとする人もいれば、地元の老人たちに溶け込む人もいる。
“戦争や内乱
を経た年寄りの言葉が素晴らしい。
現在の自分を幸せに感じること。助け合い、求めすぎず。”
先日、NHK特集の生命の番組の内容を思い出しました。
長寿な人は、免疫系が正常に作動しているとのこと。
気持よく反省しながら、車で来たメンバーと温泉に向かう。
美味しい海鮮丼を食べて、船で雑談して早くに床につく。
寒くて寝れず、寝袋に入って寝ようとするが、いろいろ考え事をしてしまう。
朝5時起床。その後、出港。
帰りは、再び正月鼻の横を通り、岡村島と大崎下島の間の海峡を通る。
江戸時代後期に、猛烈に栄えた港町である御手洗港で朝日を拝む。
湖のようにフラットな水面、橋梁とみかん畑とこんもりした山々。
この二日間で一番美しい瞬間だった。
右手に御手洗の古い町並み、左手に海賊の見張場所だった観音崎を通過すると、正面に来島海峡。
来島海峡を渡るための風待ち、潮待ちの港の意味がよくわかります。
その後、順調に機帆走を続け、再び音戸大橋をくぐり、早瀬大橋をくぐり、沖ノ島に到着。
片道6〜7時間の最高のクルージングとなりました。
瀬戸内は、海の道で長く開けた場所です。
陸路で主に行き来するようになったのは、百数十年前のこと。
町のでき方、つながり方、景観。その他様々な要素は、まだ海の道が主だった時代の痕跡が残っています。
何度通っても学ぶことや考えることが多いと思いました。