日本の食生活全集の広島県版である「聞き書 広島の食事」を読んでみました。
昭和初期の、広島県各地の食生活を取材し、写真もあわせて記録したものです。
出版された時期が昭和60年代なので証言もリアリティがあり、その当時の生活が目に浮かぶようです。
漁村や農山村など様々な生活が描かれていますが、どこも家庭も共通しているのが、農作業の大変さ。
両親だけでなく、祖父母も子供もそれぞれ仕事があり、一年の中で正月も含めて僅かな休日しか無いうえに、十分な米も食べることができず、一所懸命働いています。
先祖の皆さんの努力。ほんとうに頭が下がります。
当時の農家は、基本的には一部換金するものを除けば自家消費するものを生産し、それで家族が一年食べていくというスタイルです。
結果、計画的に多種多様な作物を作り、味噌や醤油、漬物をつくることになります。
生産と生活が家庭の中で完結するため、気候や植生と一致した暮らしが非常に興味深い。