瀬戸内海

広島にまつわる様々なエピソード満載の本です。
歴史や地理を縦糸に、人を横糸に織り込んだ内容で、選んだエピソードも的確で、歴史&地理のバランスも良く、人のつながりも興味深い話ばかり。
手にとった時はそれほど期待していなかったのですが、無駄なく教養を感じさせる内容で一息で読んでしまいました。次作を期待したい。

一つ興味深かったのは、、、
第一次大戦時に似島のドイツ軍捕虜収容所の捕虜や青島在住のドイツ人が、大戦後に日本に残って様々な技術や文化を伝えていった。
ユーハイムさんのバームクーヘンは有名。
サッカーもその一つで、捕虜チームと対戦した広島一中チームは惨敗し、その後収容所まで教えを請いに行った。
そこで学んだドイツサッカーの技術を伝えたことが、後にドイツ人監督のクラマー招致につながり、東京五輪やメキシコ五輪の躍進につながっていったという。
又、そのドイツから学んだ広島一中から東洋工業サッカー部(現サンフレッチェ広島)をつくった山崎芳樹、三菱自工サッカー部(現浦和レッズ)をつくった岡野良定を輩出する。
現在は激しい因縁のある両チームですが、その因縁は似島捕虜から始まっているということのようです。
その浦和を作った岡野が招聘したブッフバルトがかつて所属したドイツのクラブをつくったのは、このとき似島にいた捕虜だったという話も有。

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島めぐり人めぐり―広島編

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