厳島神社とその周囲の建築の配置には、ルネッサンスの影響があるという説があります。
配置については、神社の桟橋を先端と中心として、鳥居と右の千畳閣、左の大願寺が45度ずれて配置されているというもの。
厳島神社も、鳥居に対するパースペクティブを強調するために、奥から鳥居に向かって柱の間隔を狭く、天井高も低く計画されているというものです。
鳥の目でランドスケープを計画する概念が、ポルトガルの宣教師や一緒についてきた技術者などから伝わったのでしょう。
昨日、九州に住む友人の大工さんと一緒に千畳閣に行ったので、そのあたりを確かめてみました。
千畳閣は、丘の上から鳥居に向かって棟のラインを合わせて建っていますが、建物の中心は、あくまで円の中心に向かう神社の方角。
鳥居に向かっては、小さな丘がある上にアプローチの側なので、鳥居に向かう視線は目的外だろう。
では、神社の方に向かっては、建物の水平に回る長押が切り取られ、柱も2本途中で切り取られています。
その軸が向かう先に、宗像三女神を祀る厳島神社の本殿があるのかと思ったけど、違います。
本殿の背後の小さな森を、軸の中心に配置しているのです。
厳島神社の本殿の背後には、観音像があり、観音信仰をしていた平清盛は、宗像三女神にお参りすると同時に、その背後の観音様をお参りする構造にしたという説もある。
その観音像が、その中心にあるのか?
と思って千畳閣にいた神職の方に森について聞いてみると、、、
自分たちも立ち入ったことがないとのこと。
観音像については、かつてそこにあったという言い伝えはあったが、確かなことは自分はわからないとのこと。
神社の背後の森については、ますます興味が出てきました。