嘉義のヘリテージ建築

嘉義市立美術館(台湾総督府専売局嘉義支局)

梅澤捨次郎設計1936 (昭和11)年建設。2020年嘉義市立美術館として改修、開館。
梅澤捨次郎が設計した建築は、台南のハヤシ百貨店、台北の台湾総督府専売局松山煙草工場(松山文創園区)など文化遺産として活用されているものが多いです。
タイルの扱いが巧みで、時代を超えて愛される風格と柔らかさが特徴といえます。極力当時のタイルや左官仕上を尊重しつつ、改修されています。時代を超えた建築愛を感じる建物です。

旧倉庫の展示室では、鈴木貴彦さんの「15年軌跡 #全球商店計畫 #回到嘉義」世界の様々な店を回って、それを厚紙模型にするというプロジェクト。前日に行った「国際肉粽」もちゃんと作品になっていました。

本館の新しくつくられた展示スペースでは、「懸置的界線」(中断された境界線という意味でしょうか?)
何采柔(Joyce Ho)のゆらゆら揺れる境界の柵の作品も面白かったですし、自宅の机の下や狭いところにゆっくり入っていく映像の作品も良かった。

檜意森活村(林業関係の日本式木造建築群)

阿里山地域は、檜や楠(樟脳)など豊かな森林資源に恵まれていました。
日本統治時代に林業開発が進み、険しい山岳地帯を森林鉄道をつかって嘉義まで運び、製材をされて出荷されていました。
北門エリアには、営林局の職員や技術者たちの日式社宅が建ち並んでいました。
2000年代から林業関係施設跡は歴史遺産としての保存、整備がすすみ、旧檜町一帯は「檜意森活村」としてオープンしました。
ショップや飲食店が中心で、台湾の日式社宅をリノベした観光施設の初期のケースだと思います。

二陸陸杉Space(嘉義製材所内)

旧製材所跡にあるカフェ
強いにわか雨が降ってきたので雨宿り。壁の古い地図が迫力ありました。
阿里山の山頂には桜を植えて、神社やお寺、学校を整備して、植物園や動物園の計画もあったようです。

獄政博物館(嘉義旧監獄)

日本統治時代の監獄で現存する唯一の施設のようです。

台湾花甎博物館

ここは、台湾の古いマジョルカタイルを展示している施設ですが、ここの活動を知ることもできます。
解体される古い建物から、タイルを持ち帰って再生したり、タイルの古い技術の研究や復元、出版やTV出演による普及活動など。
古い建物を改修するために、ここが再生したタイルを活用したりもしているようです。