ロバート・ウェストール

宮﨑駿が表紙を描いてるので読んでみたら、不思議な魅力にとりつかれたようで、半年に一冊ほどのペースで読んでいます。
ジャンルは児童文学のようですが、大人の目線で見た児童文学ではなく、大人や社会や自然界に巻き込まれた子どもたちを描いてるものが多い。
吹雪で死にそうになった話。戦時中の生活。友人を亡くした暴走族の話。
喜怒哀楽の幅が広いので、読んでいながら複雑な気分になりますが、ウェストールの心の深さがその読後感を気持ち良いものにしてくれます。

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日西交流

日本とスペインの交流が始まって400年余り。
おめでたいことです。

ポルトガル王の要請で、イエズス会のフランシスコ・ザビエルが来日して465年。
支倉常長率いる慶長遣欧使節団がスペインに到着して400年。

当時ポルトガルとスペインは、世界を2つの領域にわけて利権を配分していました。
西経46度37分よりも東側がポルトガル、西側がスペイン。もちろん、そこに住む人達の意志や権利は無関係。
だから、南米ではブラジルがポルトガル語で、それ以外がスペイン語を使っています。
次の条約で東経144度30分(釧路あたり)よりも東がスペイン、西がポルトガル。
日本はポルトガルに征服権があるということになってたと思います。

ポルトガルは、スペインより分離した商人が強い国なので、ポルトガルに征服された国は、スペインに征服された国よりも、やや不幸の度合いが低いようです。
ちなみに、世界で殺人事件の発生率が高い国は、ほとんどが旧スペイン植民地。

そういう意味でも、スペインよりも先に、ポルトガルのイエズス会が最初に日本にやってきたことはラッキーだったと思いますし、
ポルトガル国王が日本征服や、日本をカソリック化した後に、日本の軍事力を使って明を征服しようという野望を未然に防いだことも、僕たちは知っておくべきことでしょう。

伊達政宗は、スペインの軍事援助を得て、第二次戦国時代を巻き起こし、徳川幕府を倒して伊達幕府でもつくろうとしたと思いますが、実現しなくてほんとによかったと心から思います。
他国の軍事援助を得て、政権を握った国の末路はみじめなものです。
400年前、スペインとは薄いお付き合いで終わってしまったこと。まことにめでたいと祝うのがこの400周年の意義という意味?

アッギーレ

アッギーレ窮地。
地元のニュアンスでは、恐らくクロだが、有罪の判決は出ないだろう。
なぜなら、これまでのケースもそうだったから。
別に珍しくないそうです。

かつて問題になった、相撲の無気力相撲と同じ。
問題にしたのは、相撲が好きでもなんでもない人たちで、相撲好きな人達は、八百長も含めて楽しんでた。

小市民的潔癖性で、外国の文化を判断するのは不可能。
理解不能な事柄もありうるという前提で、異文化を理解する姿勢が必要だろうと思います。

今から7〜8年前、カンプ・ノウで、FCバルサとアトレチコ戦を観ました。
Fトーレスのカウンターでアトレチコが先制しましたが、後半の終わり頃微妙な判定でFK。
ロナウジーニョが決めて同点という試合。
バルサは日本で行われたCWCで優勝し、帰国してすぐの試合。選手はヘトヘト。
誰も何もいいませんでしたが、阿吽の呼吸で納得した試合でした。
ちなみに、アトレチコの監督は、アッギーレさんでした。

ガウディ×井上雄彦

ある縁があって諫早に行ってきました。
帰りにすこし時間が出来そうだったので、検索すると長崎県美術館で「建築家ガウディ×漫画家井上雄彦」展をやってるとのこと。
大好きな美術館ですし、ここの企画はすごく評価してるので行くことにしました。
ただ、それほど期待してたわけじゃない。
ガウディの関連作品はそれほど多くなさそうだったし、バルセロナは一週間ほど滞在して、ガウディ見まくったこともあったので充足感はあった。
井上さんは大好きだけど展示品の少なさを補うつもりでは?という疑いも無きにしもあらずだった。
その時は展覧会のタイトルしか見てなかったし。

諫早から若手大工一家と一緒に美術館に到着。
ガウディの顔のイラストでもう期待度100%
ガウディの学生時代の作品から主要作品の関連資料、最後はサグラダ・ファミリアに至る。
井上さんは、ガウディの生涯を漫画で描く。
和紙に筆。 美術ではないけど、漫画としての絵の力。
ストーリーを描くメディアとして最大限の力を発揮。

後で図録を読んだら、井上さんは一ヶ月バルセロナに滞在し、カサ・ミラにアトリエを構えて制作をしたらしい。

とんでもない才能の建築家と、それをリスペクトする漫画家のコラボレーション。
映画を見終わったような気分になった展覧会でした。
企画した人。ありがとう。面白い仕事でした。

長崎の後は、兵庫、せんだいへと巡回します。

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