リーグ終盤、僅差で並んだチームの中で先行した横浜を、最後の試合で追い越した広島が、見事連覇をなしとげました。
今シーズンは、どこのチームからも広島対策をされ、思うような広島のサッカーが出来ない中で、対策の対策をしたりしつつ、日本一の座につくことができました。
決定的な勝因は、チームコンセプトのとおり、関係するすべての人が一丸となること。そこにつきると思います。
地方都市の中堅クラブでも連覇できる。それは全国の地方都市にも大きな励みとなると思います。
今シーズンの後半に限れば、一位は新潟、二位は鳥栖でした。
来季からハーフシーズンの一位のクラブと、年間の一から三位のクラブがトーナメントで優勝を競うようになります。
地方の身の丈にあった経営をするクラブが、当たり前のように優勝するようになるかもしれないですね。
サッカー
日本代表×ベラルーシ戦
昨日のベラルーシ戦は0-1の負け。
その後ポジティブな反応は一切なかった。当然でしょう。
勝つための方法は幾つもあったはず。それは途中出場した山口螢が指摘していました。
相手の裏に抜け出す動きをしていた柿谷を使うこと。ミドルシュートを打つこと。つなぐ回数を減らしてもっと速いテンポでゴールに迫ること。効果的なカウンター。ハーフナーを投入した後はシンプルに電信柱を使ったパワプレーをすること・・・など。
テレビを観てた人はほとんど同じ感想だったと思いますし、解説者や評論家も似たような戦評だったと思います。
問題は、なぜそのような戦い方をしたのか?又はなぜ勝つ戦い方をしなかったのか?ということになります。
ただ勝つためであれば、他の選択肢で戦えばよかっただけです。他に引出しが無いわけじゃないので、その引出しにこだわった理由が何なのか?を考えることがこの2戦の意義となると思います。
先ず、ザッケローニは欧州南米の強豪と華々しく戦って勝ち、ベスト8、ベスト4になることを目指してチーム作りをしています。
一次トーナメントを勝ち抜いてベスト16になることを目指しているわけではありません。少なくとも現時点で。
そこが前回の岡田ジャパンとの大きな違いです。
コンフェデから現在に至るまで、強豪とがっぷり四つで勝つにはどうすべきか?現時点のメンバーを洗練させることでその形をひたすら探っていると思います。
新メンバーは、あくまでもその形に近づくためによりよいピースを探すことはあっても、大きく入れ替えることがないのは、形を探している最中だからだろうと。
本田、香川、長友、岡崎、内田、遠藤を固定し、残されたピースの1トップである柿谷をそこに合わせることができるかどうか?というあたりが今回のチャレンジの一つでしたが、結果は上手く行かなかったようです。
両サイドを上げるために3バックにしても、全体の攻守の重心は変わることなく、単にバランスを崩しただけでした。3バックにするために交代枠を1枚、4バックに戻すために交代枠を1枚使いましたから、今の面子では交代枠3枚しか無い公式戦では実行はかなり厳しい状況にあると思います。
親善試合の回数を考えると、今のチャレンジをいつまで続けるのか?
スペインやイングランド、ブラジルとガチンコで勝つことをいつまで目指すのか?
というところが今後のマネージメント面での焦点になると思います。
W杯直前の合宿で方針を変えても間に合うので、来年の春まではやれるところまでやるという手もあるかもしれませんが、選手たちの自信や国民の期待はそこまで持たないかもしれません。
高い目標のままチームが不安定なまま為す術もなく惨敗したドイツW杯の苦い記憶と、最低の期待感の中で直前に現実路線に舵を切った南アW杯の健闘。
どちらかのようになるのかそれともそれ以外のやり方を選択するのか?
新興国なのでどっちに転ぶかわからない不安定さも、興味深い要素だったりします。
優勝争いの行方
Jリーグは残り7節。
Jリーグは終盤に向かってますます混戦の模様となっています。
しかし、優勝争いは上位3チームが争い、降格は下位2チームはほぼ決まった状況となっています。
首位の横浜と、二位の広島は、勝ち点の差は2。
横浜が残り7試合で得るポイントよりも、広島は少なくとも2ポイント上回る必要があります。
平均勝ち点2であれば14ポイント。平均1.6であれば12ポイントとなります。
横浜 広島
14P「◯◯◯◯△△×」→16P「◯◯◯◯◯△×」
13P「◯◯◯◯△××」→15P「◯◯◯◯◯××」
12P「◯◯◯◯×××」→14P「◯◯◯◯△△×」
11P「◯◯◯△△××」→13P「◯◯◯◯△××」
現実としてありえるのは、ギリギリ横浜12P広島14Pくらいでしょうか?横浜の対戦カードから、負け越しはなさそうですし、広島があと5勝するのは厳しい。
横浜の直近の勝ち点の平均は、1.5→1.4→1.4→1.6と推移しています。広島との直接対決があるので、広島が勝つということが前提条件になります。
広島は直接対決を含む4勝1敗が最低ライン。崖っぷちと言う状況で望む必要があります。
確率でいうと横浜7割、広島2割8分、その他2分といったところでしょうか。
昨シーズンも、終盤は上位はなかなか勝ち点を積み上げられず、消去法的な優勝争いとなりました。
横浜が崩れるかどうかで、優勝争いの面白さが左右されるようです。
Jリーグ2ステージ制
2015年よりJリーグが2ステージ制になるようです。
目的は観客動員数の増を狙ってのこと。
中位クラブのシーズン後半のマンネリ化防止には一定の効果はあると思います。
カープも現在3位。優勝争いをしてるのか?と思うくらい広島もかなり熱くなっています。
しかしJリーグは2シーズン制を持ち出す前は、秋春制を主張していたはず。
それと重ねてみれば、本来の目的が透けて見えると思います。
つまり、欧州の秋春制に合わせることで秋入学又は夏卒業を増やそうということ。
東大と同じで、選手の流動性を高めようという話。
この決定に代理人はさぞ喜んでると思います。
クラブ側としては、冬に無料で出て行かれるよりは、契約が残っている夏にいくばくかのお金を残して欧州に行くことを期待しているかもしれません。
国内の移籍は主に冬、海外への移籍(又は帰国)は夏と言う形で、前期と後期では多少チームの作り方やメンバーも変わってくるでしょう。選手(代理人)によっては、夏に契約が切れるように契約期間を決めたがるケースが出てくるかもしれません。
2ステージ制は、グローバルな世界と日本固有のマーケットをつなげることを目的とするなら、サッカー界のTPPとでもいうべき制度といえます。
しかし、どこが優勝してもおかしくないJリーグは世界でも珍しいリーグ。
それでもスタートダッシュが上手くいったチームと、後半追い上げるチームが混在するケースが多いように思います。
今年もスタートが良かった横浜が前半1位、前半安定して良かった大宮が前半2位。
後半は今のところ首位は新潟(通年11位)、2位は名古屋(通年10位)です。
ちなみに広島は前半2位、後半今のところ13位、通年3位
通年のリーグ戦であっても、一年を通じて常に強い訳でもないケースが多いので、前期と後期ではトップが大きく入れ替わる可能性が大きい。
後半4位の位置にいる鳥栖は現在降格争いの可能性のある位置にいます。
中位クラブが多いJリーグらしく、前後期でごろごろと順位が入れ替わって、運がいいところがトーナメントで優勝する・・という感じになるのでしょうか。
この制度は、夏に補強できる資金力があるクラブに有利に働きますし、監督の途中交代も増えるでしょう。
クラブの強化やマネージメント力もより重要になりそうですね。
大企業のバックアップのない強いクラブをふるい落とすことがこの制度の真の目的かもしれません。