MEXICO 68 3位決定戦

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先日、メキシコ五輪の3位決定戦の映像を放映していました。
釜本さんの決定力やフィジカルも素晴らしいが、杉山さんのスピードとスタミナもすごい。
そして相手のストロングポイントを完全に消し去る執拗なマンツーマンの守備。
日本が世界で勝つための秘訣をそこに見た感じです。
南アフリカW杯の岡田ジャパンも同じような戦術だったと思いますし、古くは東洋の魔女もそうだったかもしれない。

長沼監督は後に協会会長もつとめ、Jリーグ創設とW杯招致を成功させたレジェンド。袋町出身。
DF小城得達さんは、現広島県サッカー協会会長。
MF森孝慈さんは、Jリーグ創設に尽力した森健兒さんの弟で、似島学園創設者の息子さん。
FW松本育夫さんは、東洋工業の選手、監督の後、サンフレッチェ創設にも奮闘。
サブの桑原楽之さんは白島出身。

メキシコ五輪は、広島サッカー界黄金時代の一頁ともいえる大会だったようです。

Jリーグの残り13試合の展望

Jリーグも21節消化して残り13節となりました。
優勝争いするチームも3〜5に絞られてきました。
平均勝ち点2を優勝争いのボーダーと考えると

横浜44/13=2.10 残りの試合を平均1.85で平均勝ち点2.0つまり68ポイントとなります。
残りの試合を7勝3分3敗で68ポイント。

広島43/13=2.05 残りの試合を平均1.92
7勝4分2敗で68ポイント。

浦和40/13=1.90 残りの試合を平均2.15
8勝4分1敗で68ポイントなので、2敗すると厳しいという予測になります。

優勝争いは実質的にここまで

大宮と大阪は36/13=1.71 残りの試合を2.46としなければ68ポイントに達することはないので、3位以内を目指すのが現実的な目標ということになります。

下の表とグラフは、直近5試合の平均勝ち点を表したもの。
チームの勢いがみてとれると思います。
横浜はスタートの連勝の貯金が豊富なため、勢いが落ちた時期でもトータルでは勝ち点2.0を前後してキープ出来ています。現在も3連勝中なので、この勢いがどこまで続くのか?によっては独走態勢に入るかもしれません。

広島は上位グループの下のほうに追従してシーズンを進め、横浜や大宮の勢いが落ちたタイミングで首位に至るも横浜の勢いが再び勝ってきたタイミングで二位に落ちてるという状況。のべ平均勝ち点2.0に達したのは15節。
シーズン前半はACLとの連戦と露骨な広島対策に苦労しましたが、ACLが終わり、広島対策に対する対策をとってからは手堅い勝利を重ねてきました。

浦和は連勝の後に、勝てない試合が続くなど、平均勝ち点に届かない位置を上がり下がりしています。爆発的な連勝ができればいい位置につくことができると思うが、妙な負け方をすることもある波あるチームなので、下手をすれば3位より下になる可能性もあり。

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横浜は今後の13試合のうち8月の3試合の中日に、浦和×横浜の直接対決が有ります。
その前後も含めると、×鹿島、×浦和、×大宮、×大阪と上位対決が多い。
浦和も広島も下位のチームとの対戦。
8月終了時点で、横浜の勢いが続くのか?それとも浦和が調子にのるのか?はっきりしてくると思います。2チームに絞られるかも。
29節には広島と横浜の直接対決。
その後残りは5節なので、ここである程度の優勝争いの流れが決まると思います。

東アジアカップ第三戦

激しい韓国の攻撃にさらされた90分。それに耐えて1失点に抑え、カウンターから2点とってなんとか大会優勝をかざることができました。
この大会は、代表に選ばれていないメンバーを中心でかつ若手を中心に招集され、三試合総替えで望むという試験的な大会となりましたが、結果もしっかり出しました。
短期間でチームを作り上げる総合的な力、戦術も試合で明らかになった課題もすみやかに吸収する理解能力と実践能力。
これらが一番の収穫だったのではないでしょうか?
ともすれば個人の力をアピールしたがる状況であったにもかかわらず、それぞれの役割を誠実に果たそうとした23人にふさわしい優勝という結果だったと思います。

韓国戦は徹底して韓国に押し込まれていましたが、この大会韓国は無得点無失点だったことでもわかるように守備が堅く、ゴールに嫌われていた。
この試合でも日本の守備の集中力が強かったこと以上に相手に決定力が無かったことも幸いしたように思います。
ただ、前線や中盤の守備が効いてなくて、最終ラインもずるずると下がっていった状態で、下手なクリアが更にピンチを生むという悪循環でした。三試合では改善しなかったポイントでした。

日本の一点目は青山から裏に向けた一発の長いパス。
青山がボールを持った瞬間、このパスに備えて動き出していた柿谷の頭のなかには、広島の佐藤寿人のことがあったと思います。
青山-寿人のホットラインをイメージして準備したら、ドンピシャのボールが来た。そんな感じ。
柿谷は日頃寿人の研究をしてるようですから、その成果がこういうところに出たと思います。
この一点があったこそ、その後の守備を耐え忍ぶことができたと思いますし、韓国に焦りを生じさせる結果となったことから、試合を決定づける二人のプレーだったと思います。

二点目は後半ロスタイムの相手のカウンターから西川がボールを保持し、左サイドの隙を見つけ、駒野-原口シュート。こぼれ球を柿谷がゴール。
これも、時間が残り少ない状況でも、ボールを大切にして相手の隙をつく西川や駒野の冷静な判断。あの時間の原口の突破力。柿谷の技術の結晶でした。

この試合も二戦目も、攻撃の流れを読める後ろの選手からのボールでカウンター攻撃の得点が多かったというのが、普段のA代表と異なる点だったと思います。
W杯では一次リーグでは優勝候補の強豪や中堅国と当たります。せめてここで1勝1分以上の成績を得るためには、華麗なパス回しで・・とは望めない場面が多く出てくることは南アフリカでも体験済み。この韓国戦のような状況は十分あり得ると思います。
アジアでは強者として振舞えても、世界では弱者として強者といかに戦うのか?という課題を解決しなければならない。
南アフリカでは大会直前に岡田監督は戦術の大転換をし結果を残しました。
ザッケローニ監督は本戦を視野に入れた戦術の転換をこれから試みていくのか?
例えば、本戦でブラジルと引分け、イタリアに勝つためにはコンフェデとは違うサッカーをしなければならない。
そこに着手するのか?これまでと同じメンバーで?
というところがこれからの代表戦を見る上で興味深い点だと思いますがいかがでしょうか?

東アジアカップ第二戦

東アジアカップ第二戦は、第一線から11人全員入れ替えての戦いとなりました。
広島勢はCBに千葉ちゃんが出場。
ザッケローニは、両SBを同時にかつ積極的に攻撃参加させることを以前から狙っていて、3バックにしてみたりするなど様々な試行錯誤をやって来ました。
しかしうまく行かず。
今大会では、通常時は4-2-3-1の4バックですが、攻撃時には両サイドバックが上がり、CBがサイドに開いて、開いた中央をボランチ1枚が下がって3バックになるという変則3バック戦術をとっています。
この試合では、決定的な縦パスを出すことができる千葉、鈴木大輔がCBに入っているため、その戦術の効果も見どころでした。
そもそも、今大会で誰が招集されるのか?という予想がされていたとき、守備が強いCBと攻撃力のあるCBが半数ずつ選ばれるのではないか?と予想していた人がいました。
その人は広島では塩谷ではないか?と予測していました。対人プレーに強く、ボールを保持しながら上がっていって攻撃に参加することもでき、シュートも打てるいい選手です。
しかし選んだのは千葉ちゃん。
千葉ちゃんは前線からのプレスされてもボールを奪われることない技術と鋭い縦パスが特徴です。そのCBの縦パスの力を選び、前線に上がっていくCBの力を選ばなかったとも言えます。
同時に、槙野森脇はSBとして招集されたことも、ザックがCBに望んでいることがよくわかると思います。
チューリオを招集しろという声もありましたが、当面ないだろうということも。

この第二戦は、いわばD代表による試合。これまで70人以上招集された代表の下位に位置する選手たちですので、この中の1〜2人がサブとしてブラジルに行けるかどうか?というのが現実だと思います。
なので、個の選手のテストという要素もありながらも、戦術のテストという要素のほうが多いのでは?という見方もできます。
後から考えれば、、、変則3バックとそれにともなう攻撃のスイッチのポイント。ここは重要な見どころであったと思います。
今のA代表の課題は、攻撃のスイッチが遠藤から。それも遅攻が中心。リードしていてもカウンターを狙って突き放すことができず、一本調子のショートパスで崩すサッカーばかり。
結果的には、この試合はA代表とまるっきり違う選手たちが欧州型チーム相手にいいテストが出来た試合だったと思います。
3点のうち2点はCBからの縦パスが起点。逆に失点はSBの役割の曖昧さや、CBの連携が課題でした。
そういう意味で、攻撃の起点の追加と、3/4バックの切替時の最終ラインの守備の役割の整理をすれば、日本代表に新しい引出しが増えると思います。
次の試合は、C代表とD代表の統合でいいテストを締めくくることができればと思います。