コレクティブ×コレクティブ

昨日のJリーグ頂上対決:広島×仙台戦は、広島が制し首位返り咲きとなりました。
4-4-2の仙台に対して広島は3-4-2-1。
戦術もスタイルも対照的な二チームですが、首位争いするだけあって重要な共通点があります。
コレクティブであること。
攻撃も守備も高いレベルで連動性がとれています。
旧広島監督&選手が中心である3位の浦和も含めると、コレクティブであることがサッカーでは重要な要素だと言い切っていいと思います。
しかし仙台のコレクティブさと広島のコレクティブさは大きく意味が違っています。
仙台は、規律が正しく、約束事を全員が最後まで全うする強さがあります。
広島は、この選手の独創性やイマジネーションをお互い感じあって連動する強さがあります。
剛と柔。又は四角と三角、儒教と道教といった感じ。

個人技が極端に優れたブラジル人のFWがいるなら、規律を重んじる日本人がひたすら頑張ればいい結果につながります。しかし、そうしたブラジル人が日本に来ない又は、出ていってしまう時代には、果たしてそのやり方は通用するのか?
という話だと思います。
かつての強豪(いわゆるビッグクラブ)が苦戦する今シーズンに、地方のクラブが善戦している状況は、外国人の個の力≒お金の力が強さの最重要要因と言えない状況を物語っていると思います。
お金がなくても個人の能力を最大限に発揮すると同時に、連携を重視することで、日本でNo1になれるということを実現してほしいものです。

長いデフレが地方を疲弊させていますが、潜在能力を持つ地方がその強さを活かすヒントがそこにあるように思うのですがいかがでしょうか?

W杯出場確定は早くて3月?

気が早い話ですが、日本代表のW杯出場の計算をしてみました。
サッカーのリーグ戦は、勝てば勝ち点3、負ければ0、引き分ければ1という計算になります。
昔は勝ち点2だったようですが、全て引分けで決勝進出というケースがあったので、勝ち点は2から3に引き上げられたようです。
勝ち点を計算する上で重要なのは、勝ったら3ですが同じ試合をした相手は0となること。試合の総ポイントは3。引分けは1ずつですから総ポイントは2になります。

アジア最終予選Bグループ5チームで2位以上にならなくてはなりません。
総当りですから試合数は20。
もしも引き分けなしだったら総ポイントは60。もしも全て引分けだったら総ポイントは40。
現在消化している8試合の内半分が引分けですから、今後もそうなると仮定したら総ポイントは50。
現在8試合の取得総ポイントは20。残り12試合で30ポイント。試合平均1.25/チームです。

5チームの真ん中である3位チームが勝ち点取得の中央であるとするなら、残り5試合で+6.25ポイント。
現在2ポイントのオーストラリア又はヨルダンが6.25ポイント取得するので8〜9ポイントとなります。
それを超えれば2位確定ですから10ポイント取ってる日本はすでにほぼ決まりという計算になります。

確実になるのは、残り試合全勝しても日本を超えられないチームが3つ出てくること。
10月に日本以外が一試合消化したのちに11月に1試合あります。
ここで日本が勝てば勝ち点13。残り3試合なのでMAX9。
この試合後に、勝ち点4未満のチームが3つあれば決定ということですね。
2試合で4未満ですから、現在4のヨルダンは+0、他は+2未満ということ。
ですから確実に出場が確定するのは年内は難しそうです。

ジーコの戦術

昨夜、ジーコが率いるイラク代表と日本代表のW杯最終予選第四戦がありました。
前日の練習も完全公開してたので、相変わらずだなと・・思っていたら罠でした。
前日練習で控え組だった連中をスタメンで使うという奇策。
日本代表の緻密なスカウティングを逆手に取るという点がひとつ。スタートの若干の混乱は期待できたと思います。
次に、若手を中心として、徹底的なマンマーク。スタミナ豊富な若手にひたすらチェイシングさせるという点。
連携の面では日本とは大きく劣るところはありましたが、パスの出してと受け手にマークが付けば、日本が得意なパスサッカーはかなり封じることができました。
これはかなり効果的だったと思います。
これに比較的近い戦術は、南アフリカW杯の岡田監督や、ロンドン五輪の関塚監督の特にスペイン戦でもとられていましたので、逆にやられた感じです。
一人を残して残りを下げて自陣のスペースを消す守備的戦術は、日本やスペインのような敏捷性の高いチームには通用しなくなっています。
そういう意味では、コレクティブな守備的戦術は、Jリーグで広島対策として散々やられてきましたが、世界の舞台でももっと見られるようになるかもしれません。
90分やりぬく集中力と、効果的なカウンター(又は確度の高いセットプレー)が伴わなければ0-0狙いの戦術でしか無いですが。

しかし、ここの所、駒野からの得点で勝つ試合が続いていますが、まるで注目されない状況はどうなんでしょう?
ボールのコントロールが正確なだけではなく、DFを越して急に落ちるというボールの軌道の素晴らしさだけでなく、スローインで絶妙なチャンスもつくるのに。。。
そういう気配を消してる感じも頼もしかったりするんですけど。

ヤングなでしこ

U20女子W杯が終わりました。
日本女子通称ヤングなでしこは、グループリーグも含めて3勝1分1敗で3位という成績となりました。
このチームは、五輪やW杯と違って、将来を見据えた育成ということが主なポリシーだったようです。
力の差があるドイツ相手でも、相手に合わせるのではなく、あくまで自分たちのサッカーを貫いてガチンコで勝負し、力負けをしました。
五輪やW杯では、絶対に守備的に試合に入って相手の強いところを抑えて、ラッキーな得点を狙う戦術となったでしょう。
しかし、このチームははっきりと力の差がわかるくらいストレートに撃ちあうことで、自分たちの弱い所、強くしなければならない所、今のまま伸ばして行きたいところがはっきりしたと思います。
結果は銅メダルでしたが、選手にとっては完全燃焼で、勉強もできた最高の大会となったことでしょう。

U-20のカテゴリの大会を地上派で生放送することも異例ですが、女子となるとさらに異例です。
フジテレビは以前、JFAと何かあったらしくて、男子代表の放送は朝日に持っていかれてる状況。そこで女子W杯を放映したら金メダルをとって、なでしこリーグもBSでという形で、女子サッカーにやけに力を入れています。
スタジアムの入場者もこれまでに無いくらい多いうえに、ホスト国としてサポーターはとても素晴らしい評価も受けています。
決勝の放送をしなかったことを除けば、言うことなしの大成功の大会だったのではないでしょうか。

ここまで注目を集めたのも、田中陽子や猶本光といった清々しい選手の存在も大きかったと思います。
十代後半らしく、ひたむきで、目が輝いていて、いつも笑って飛び跳ねてそうな。
そういう選手をのびのび育てた吉田監督の手腕も素晴らしかった。

シニアなでしこは監督が代わります。
今回の大会で吉田監督の隣に座っていた本田コーチが監督となります。
宮間を湯郷でのびのび育てた監督です。
女子サッカーが女性のための女性のスポーツに一歩近づくようで、大いに期待できると思います。