対馬海峡

対馬海峡を手漕ぎボートで渡れるのか?
答えは条件付でYESです。
対馬、壱岐に立ち寄りながら。かつ冬以外なら何とかなるかもしれない。

秋雨前線が通過した後から、春一番が終わる頃までは、シベリアからやって来た高気圧による強い西風で、海面の波高も高くなり、よほど自信があるボートじゃなければ沖に出ないと思います。
江戸時代の北前船もこの季節は、全面運行停止していました。
無理した航海で、舵を壊してロシアまで漂流という話もよくあったようです。
途中まで、密航船でやってきて、上陸時のみゴムボートを使ったのか?

弥生時代の最初、大陸から大量の亡命者がやってきましたが、呉の亡命者は、この半島経由ルートと言われています。
その日の目的地が目視できるので、体力があれば、江南から日本まで来れるのです。
魏志倭人伝もこのコースでした。

官僚の密入国事件。あまりにも準備不足な上に、時期も悪い。
風船おじさんのようにすっきりしない事件です。

マッコウクジラ

エオラスがぶつかったのはマッコウクジラである可能性が高いようです。
二頭並行で泳いでいたくじらに、運悪くぶつかったのではないかと言われています。

岩のように硬いくじらの背中にぶつかりながら、避難する時間を稼げたのは、船体のFRPの厚いエオラスだったおかげかもしれない。

エオラス 整備日誌

エオラス

エオラスが沈んだ。

ヤマトが古代と森と一緒に沈んだ時、ホワイトベースがアバオアクーで沈んだ時と匹敵するような衝撃的な事件です。

エオラスは、比企さんがアメリカから持ち込んで長い時間をかけて外洋で安全に航海できるように育てた船。
これが沈んだというということは、よほどの状況だったと思います。

何かが船体に衝突し、船を放棄しなければならない状況で、二人が無事に帰還した。
100点満点の結果だと思います。

辛坊さん自身の前のヨットは、エタップというフランスのメーカーのもので、船体に発泡体を埋め込んだ沈まない構造で有名でした。
辛坊さんは、過剰と思えるほどの安全に対する配慮をしていた人なので、船を放棄するという判断は、早く、正しいものだったと思います。

あのような不幸な事故に会いながら、視覚障害のあるパートナーを確実に救出に導き、家族の元に送り届けるという以上の成果はあり得ない。
もしもエオラスじゃなかったら。辛坊さんがパートナーじゃなかったら。
もっと悪い結果だったかもしれない。

日本社会は、結果だけで賞賛したり叩いたりする傾向が強いですね。
ナイス トライ!ナイス チャレンジ!
なかなか聞けない言葉です。

堀江さんが初めて太平洋を横断した時も、日本社会は犯罪者として扱い、アメリカは英雄として扱いました。
もしもサンフランシスコ市が名誉市民にしなかったら、今でもマスコミは犯罪者扱いしてたかもしれない。考えただけで背筋が凍ります。

今回の事故で、我々の子どもたちが、トライしたり、チャレンジしたりすることに躊躇することのないような社会の雰囲気になることを期待したい。

ブラインドセーラーであることが今回の事故と関係がないと思いますし。
太平洋など航行する大型船は、近づいてみると、船体は衝突痕でボコボコみたいです。
東北の瓦礫の影響も大きいかもしれない。

小豆島クルージング

お盆休みに、友人のヨットで小豆島までクルージングに行って来ました。
往きは夕方6時半に出発し、夜間航海で約16時間で小豆島に到着。
小豆島ではレンタカーを借りて島を思いっきり廻ってみました。
池田港から土庄を皮切りに、時計回りに島を一周。
翌日も午前中に山の中の農村めぐり。
津々浦々という言葉の通り、大きな島にたくさんの魅力的な風景や集落がありました。
割烹料理屋が多い土庄や、醤油屋や二十四の瞳で有名な草壁は観光地として開発されていますが、島の北側は人の手の入っていないビーチや絶壁もあり、ゆっくりテントでも持って過ごしてみたい魅力を感じました。
地元オリーブ100%のオリーブオイルを探してみたのですが見つからず。小洒落たオリーブグッズの店は幾つかできていましたが、スペイン産を使ってるようで、生産量と観光的消費量のバランスが悪いのか?コストの問題なのか?
人件費の高い日本でスペインやギリシャと勝負するのはやはり無理なのか?色々考えさせられました。
山村は美しく維持されています。村歌舞伎の舞台も二棟綺麗に残っています。

その日のうちに瀬戸大橋の足元の与島に移動一泊。停泊料500円。
フィッシャーマンズワーフは廃墟化。泡盛飲み過ぎてダウン。深夜に雷豪雨。

4時発で尾道へ。
泡盛の余韻が払拭された午後に、銭湯&街歩き。
来るたびに観光の魅力が増してる街となっています。

翌日4時発で広島へ。

フランス製の素晴らしいヨットと仲間と素晴らしい時間を過ごせました。
地中海とバカンスの風習が、こうした魅力的な休暇をすごすことができる道具を生み出すということを実感。
元々盆と正月しか休まなかった日本人は真似することが難しいと思いますが、心意気は学ぶことができます。
地中海に負けないクルージングポイントである瀬戸内海は、数々の魅力はあれど、それを活かす環境整備が乏しいと思います。
港では多くのヨットと出会いましたが、女性が載ってる船は2艇のみ。お金持ちの愛人風とアグレッシブな西洋人女性だけ。
海からアクセスできて、女性が楽しめるクオリティのレストランや温泉ができてくると、家族や普通のカップルの利用も増えてくると思うのですが。

道はアスファルト道路のみにあらず。
原点である海の道から大地を眺めることで、文化の質は確実にアップすると思います。