図書館と本屋の融合

今年のGWは、九州の北西部をぐるっと回ろうということで、まずは武雄にやってきました。
温泉の後、武雄市図書館に寄ってみました。
カルチャーコンビニエンスクラブが関わって改装した図書館として話題になったものです。

エントランスを入る前から、商業施設の構えができていて、図書館に向かう高揚感とはまるで違うものを感じます。

スターバックスと雑誌売場、座り読みできるカフェ。図書コーナーは奥に。
まさに、図書館と本屋の融合。
利用者の年齢層や、テンションも図書館とはまるで違います。広島で例えるならLECTの本売場の様相です。

全国の図書館がこうなるべきとは全く思いませんが、役所の理屈で制約をはめてた世界に、一つ風穴を空けたのではないかと思います。
隣接する児童図書館は、もっと自然な形で図書館とカフェが融合していました。
年間800万円の赤字とか。
気持ちのいい施設を税金で整備するわけですので、負担増は仕方がない。
民と官の中間に、面白いことができる余地があるなら、公共施設も、今後は躊躇すること無く、様々な民間の施設と融合すれば面白いと思います。
ただ、その負担をどのように、誰が?という課題は残ります。
民間の商業施設なら消費者が負担。
公共施設なら、一部利用者残りは税金。
今回のようなケースでは、増税するのがベターなのか?

メガネ先輩と義城

以前から冬の五輪では、カーリングは観てました。
今回は特に面白くて、ほとんどの試合観たと思います。
韓国代表は、スキップのメガネ先輩をはじめ、みなさん慶尚北道の義城出身で、金さんとのこと。
にんにく娘と呼ばれているようです。

今から10年以上前、韓国の両班が住んでいた伝統住宅を見て回るのが好きな時期がありました。
その時に、にんにく娘達の出身地の義城にも行きました。
義城の名家、義城金氏の宗家です。
韓国は部族社会なので、有力な部族が地方で同族集落を作って生活するスタイルで、その宗家は一族の神主のような形で先祖を祀る行事を年中行うというものです。
その宗家は、部族長の私邸であると同時に、宗教施設の本部でもあるというもの。
にんにく娘達も、この金氏の一族なのでしょう。

興居台南

台南の二泊目と三泊目は、宿を変えることにしていました。
正興街から西門のロータリーに徒歩3分くらいの距離。西門路と民権路の交差点から三軒目。
この西門路は、かつて台南市を囲っていた城壁の跡。タモリさんが好きそうな。。。
西門は、その城壁の西門だったのです。
城壁の外から内に引っ越したのです。
気のせいか落ち着いた雰囲気です。

この興居台南は、4階建の日本統治時代1934年竣工の建築をホテルにリノベーションしたもの。
設計者は日本人だったようなのです。
東京帝国大学出身だったそうです。
帝大建築の卒業生リストを調べているのですが、当時台湾にいて、台南にゆかりのある人物はかなり限られています。
当時は、林百貨や、台南駅の竣工が相次いだ時期。
この興居台南となった建築は、林百貨の次に台南で高い建物だったようです。
あいにく、林百貨のある地区と、この建物がある地区は、日本人による開発が進んだ地区だったようで、終戦前の空襲で激しく破壊され、この建物の隣までの建物は倒壊したようです。

この建物が建つ前後は、死者が出るような地震が相次いだ時期だったようで、当時の日本人建築家によるレポートも記録に残っています。
そうした時期に、4階建のRC建築を建た建築主も、建築家もそれなりの人物だったと思います。

1階には、広いロビーとラウンジ。
2〜4階に5〜6室の宿泊室。大きな吹抜に回廊がまわり、その奥にオーナー夫妻のプライベートスペースが有ります。

オーナーは、骨董好きなこともあって、古い建築を本来の魅力を活かす形での修繕を行っています。
古建築の改修の勉強に、京都には3回、欧州の複数の国を廻ったと言っていました。
台南に多くあるリノベーションしたカフェや宿は、基本的には現代の若者風の改装をしているものばかりです。
良く言えばおしゃれ、悪く言えば子供っぽい。
そういう意味では、ここは全体が一つの空間として整っていると思います。

正興珈琲館

初日泊まった宿は、若い人たちに人気の正興街の中心的なカフェ正興珈琲館の経営する三室だけの宿でした。
カフェも宿も、古い建築をうまく改装しています。
妻壁は煉瓦造で、その並行する壁に、丸太をかけて、屋根を構成するのが当時の建築の標準的な工法です。
カフェは、その煉瓦の壁と屋根をうまく見せると同時に、内部の木製建具などをうまく使っています。

宿は、一階に一室。泊まった二階にはロフトがあり、三階と四階が連続した客室になっているようです。
二階には、床をすのことしたバスコニーがあり、半透明の樹脂の腰壁と、三面サッシュ、天井=屋根も樹脂+すだれ。という開放的なつくり。10帖くらいあります。
浴槽と便器が奥にあり、街の景色と向き合う一面にはベンチがつくられていますから、ビールでも飲みながらゆっくりするにはとても気持ちがいい場所となっています。

一階のライブラリーも、気持よくつくられていますが、風通しが悪そうなので真夏は大変な暑さになりそう。
近所に魅力的な店が色いろあるのですが、時間がないのと、お腹が空かないこともあって、行けずに残念。