防災について考えてみる その1

先日、今度結婚する友人(師匠)にお祝いをしようと思って連絡すると、新しく家族となる二人の生活の原点となるサバイバルグッズがいいとのことでした。
今年の防災の日にたまたま宮崎駿の「風立ちぬ」の関東大震災のシーンを観たこともあって、防災のことを前向きに考えようと思っていたところだったので、我が家も便乗することにして、いろいろ研究することにしました。

先ずは、漠然と災害と思っても仕方がないので、それぞれの家を基本に起こりうる災害のことを考えてみます。自治体がハザードマップを作成していますから、具体的に定量的に起こりうる災害を想定するところからスタートします。
大きいものでは地震ですが、大きな揺れだけでなく、火災や津波、土石流も起こりえますし、その後の余震やライフラインの破壊等様々な複合的な災害になりえます。
水害は津波や高潮、河川の氾濫、広島の三角州であれば内水面浸水も起こります。
台風や竜巻も今年は大きな災害を起こしました。

広島県防災web
平成19年度(2007年度)広島市地震被害想定調査報告書

次に、過去の災害や復旧に関する資料に目を通します。
地理的環境が似ているケースのものがいいと思います。太平洋沿岸でしたら東北、都市部であれば阪神等。
人間は楽観的でも有り、悲観的でもあり得ます。どちらも未来を想像する助けにはならないので、極力身の回りの環境がどうなるのか?想像してみることが大切です。
例えば、我が家は太田川の氾濫では浸水50cm未満。津波は30cm以上1m未満。
最寄りの活断層が震源となる地震が起こった時、最大震度は6強。その時木造の16%は全壊、30%は半壊の予想です。死者の想定は5000人のうち10人、負傷者100人。2000人が小学校に避難し、そのうち1000人が避難所に滞在し続け、1000人が疎開するという想定です。
全壊、倒壊の建物から救助又は脱出できるかどうかが、先ずは重要と思われます。斧やバールを取り出しやすいところに用意しておいたり、鞄にホイッスルを入れておくことなども効果的と思います。
半数近くの建物が全半壊する予想ですから、避難所に大量の人が溢れる予想。断水を含むライフラインの破壊も起こるので、地震後の生活を維持するための道具や備品のストックも必要になると思います。
特に衛生関係備品はみんな非常に困ったようです。

同時に防災の本を読んでみました。
命を守る又は救う事のできる時間が過ぎた後は、被災地での生活が始まります。
阪神大震災では、最長7ヶ月の避難所暮らし、最長7年の仮設住宅暮らしをした人がいます。
重要な情報をメモしているだけですごく助かることもあると思います。

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Jリーグ2ステージ制

2015年よりJリーグが2ステージ制になるようです。
目的は観客動員数の増を狙ってのこと。
中位クラブのシーズン後半のマンネリ化防止には一定の効果はあると思います。
カープも現在3位。優勝争いをしてるのか?と思うくらい広島もかなり熱くなっています。

しかしJリーグは2シーズン制を持ち出す前は、秋春制を主張していたはず。
それと重ねてみれば、本来の目的が透けて見えると思います。
つまり、欧州の秋春制に合わせることで秋入学又は夏卒業を増やそうということ。
東大と同じで、選手の流動性を高めようという話。
この決定に代理人はさぞ喜んでると思います。
クラブ側としては、冬に無料で出て行かれるよりは、契約が残っている夏にいくばくかのお金を残して欧州に行くことを期待しているかもしれません。
国内の移籍は主に冬、海外への移籍(又は帰国)は夏と言う形で、前期と後期では多少チームの作り方やメンバーも変わってくるでしょう。選手(代理人)によっては、夏に契約が切れるように契約期間を決めたがるケースが出てくるかもしれません。
2ステージ制は、グローバルな世界と日本固有のマーケットをつなげることを目的とするなら、サッカー界のTPPとでもいうべき制度といえます。

しかし、どこが優勝してもおかしくないJリーグは世界でも珍しいリーグ。
それでもスタートダッシュが上手くいったチームと、後半追い上げるチームが混在するケースが多いように思います。
今年もスタートが良かった横浜が前半1位、前半安定して良かった大宮が前半2位。
後半は今のところ首位は新潟(通年11位)、2位は名古屋(通年10位)です。
ちなみに広島は前半2位、後半今のところ13位、通年3位
通年のリーグ戦であっても、一年を通じて常に強い訳でもないケースが多いので、前期と後期ではトップが大きく入れ替わる可能性が大きい。
後半4位の位置にいる鳥栖は現在降格争いの可能性のある位置にいます。
中位クラブが多いJリーグらしく、前後期でごろごろと順位が入れ替わって、運がいいところがトーナメントで優勝する・・という感じになるのでしょうか。
この制度は、夏に補強できる資金力があるクラブに有利に働きますし、監督の途中交代も増えるでしょう。
クラブの強化やマネージメント力もより重要になりそうですね。
大企業のバックアップのない強いクラブをふるい落とすことがこの制度の真の目的かもしれません。

宮崎駿さんの引退会見

昨日、宮崎さんの引退会見をネット中継していたので観ました。
引退後も、愛妻弁当を持ってアトリエに通勤するとのこと。
ジブリを引退するわけでも、クリエーターを引退するわけでもないので、先ずは一安心というところです。
じゃ何から引退するのか?
長編アニメの監督/演出業を今後やらないということのようです。

記者会見の中で、何度も何度も語っていたのは、長編アニメの監督業はつらくて、向いていないということだったと思います。
絵を動かすことにかけては、世界で最も素晴らしい力を持っているのですが、監督業はまるで別の才能が必要な仕事。
本人にしてみれば、二足のわらじを履いて仕事をしてきて、やっと本来の絵を描く仕事に一本化したいということなのでしょう。
監督業を引退することで自由を得るという発言も何度もしていました。

僕はハイジ世代なので、藁のベッドにシーツを掛けるシーンや溶けたチーズをパンにのせるシーン、美味しそうな白パン、高原の春の草花など、思い出に残るシーンはたくさんあります。
初めて演出した未来少年コナンも、飛行機の翼の上で足の指でリベットをつかんで体を支えるシーン。ラナを抱きかかえたまま高層ビルから飛び降りて、足の先から頭の先に痛みが突き抜けるシーン。
数限りないほどのシーンを、映像の技術で僕達に届けてくれました。
しかし監督業との二足のわらじが、映像をつくる本来の才能を制限していたのかな?と言葉の端々から思わざるを得ませんでした。
高畑さんとの関係がどうなったのかよくわからないけど、少なくとも高畑さんと同等の監督が出現することはなかったのだから、これも仕方のないことだったのでしょう。

お疲れ様でした。
ありがとうございました。

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風たちぬ

昨日、風立ちぬを観てきました。
僕も飛行機大好き少年だったので、同じ浸透圧を感じながらの鑑賞でした。
堀越さんのことは、小学生の頃読み漁った飛行機の本で知り、最も尊敬するエンジニアだったので、活き活きと描いてくれて嬉しかった。アーサーランサムのティモシィっぽかったけど偶然かな。
宮崎さんは零戦の設計には触れなかったが、それに至るまでを丁寧に描くことで、物語を成り立たせている。

今日、宮崎さんは6度目の引退宣言をしたけど、描くべき自分の内面の葛藤を描き切ったという感じか。
ポニョではおっかなかったお母さんとの関係。
風立ちぬでは、飛行機好きであることに加えて、実家が戦時中、陸軍の軍用機工場であったこと。
政治的信条と、家業との葛藤は常にあったと思います。
複雑な内面の葛藤を上手く作品にしたと思います。
「戦争の道具を作った人」の映画を作ることに、奥様やスタッフをはじめ多くの人から非難めいた質問を受けたようです。堀越=父だったのではないか。ひょっとすると堀越=宮崎さん自身だったのかもしれない。
肯定もせず、否定もせず、子供っぽさに逃げることなく。寡黙に淡々と仕事と家庭を愛する。人生を貫くその姿勢が、その非難めいた質問への答えだったのでしょう。

映画の技術としては、今回は背景の美しさや臨場感に驚きました。
丁度関東大震災が起こった日だったこともあり、東京の災害のシーンは今でも深く印象に残っています。
東京は、東北の震災の4倍の被害者をうみ、長崎の原爆以上の空襲の被害者をうんだ悲劇の町。そうした悲劇から何度も立ち上がったことを先ず物語の背景に据えたことに、宮崎さんのメッセージの重さを感じました。

映画とは関係ありませんが、堀越さんの零戦の設計で最も素晴らしい点。
高速性と旋回性を両立させたこと。
当時は、二律背反だったのでどちらかを選ぶしかなかった、
堀越さんは、主翼を少し上向きの角度で取り付ける事で、不可能を可能にしました。
風立ちぬでは、零戦の前に設計した96式艦戦のプロトタイプの試験飛行のシーンがありました。
この機は、主翼が下に折れ曲がっている逆ガル式。この折れ曲がっている下の折れ点を胴体にくっつければ、零戦のように上に傾いた主翼になります。試運転した96式艦戦は、試作2号機から逆ガルをあきらめて通常の主翼に戻ります。逆ガルにしたかったメリットを次の零戦にうまく取り入れたということかもしれません。
その逆ガル式の戦闘機は、ドイツユーカーンス社の格納庫で眺めるシーンがあります。
飛行機目線でこの映画を観ると、逆ガル式がかなり重要である事がわかります。

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