老子

NHKで老子の番組をやってます。
古代中国の思想家では、孔子や孫子が取り上げられることは時々ありましたが、老子の番組をみるのは初めてかも。
4回シリーズですが、専門家の解説もいいので、とっつきやすい内容です。

老子は、20世紀中盤に西洋の思想世界に衝撃を与え、日本にもタオイズムとして再上陸して、ニューサイエンスと合わせて、サブカルチャーにも大きな影響をあたえました。
ジョージ秋山の浮浪雲は、まさに老子の世界を表現していたと思います。
先日、樹木希林のインタビューを観ましたか、彼女の行動原理も、見事に老子そのもの。これまで見聞きした人物で、最も老子的かも。

老子の思想は、破壊力はありながらも、それを全ての行動原理にしてしまうと、胡散臭くなるか、社会生活が成り立たなくなるか、なので、希林さんのトークをそういう目で見ると、希林さんの器がよりはっきり見えてきます。

老子が破壊力がありながらも、マイナーな位置にとどまっているのは、表現が皮肉というか、孔子に対するカウンター的になりすぎてるきらいがあるかと思います。
逆に言うと、孔子とセットで老子を読むと非常に面白い。

例)
人物A「今から会議をするぞ」
悪い儒家「だれを上座にするかが一番大事だ。案内状の句読点をチェックしたか?」
悪い道家「会議などする必要のない組織がいい組織だ」といってすっぽかす

老子 [amazon_image id=”4003320514″ link=”true” target=”_blank” size=”medium” ]老子 (岩波文庫)[/amazon_image] [amazon_image id=”4091800513″ link=”true” target=”_blank” size=”medium” ]浮浪雲 (1) (ビッグコミックス)[/amazon_image] [amazon_image id=”4875021852″ link=”true” target=”_blank” size=”medium” ]タオは笑っている (プラネタリー・クラシクス)[/amazon_image]

Jリーグの残り13試合の展望

Jリーグも21節消化して残り13節となりました。
優勝争いするチームも3〜5に絞られてきました。
平均勝ち点2を優勝争いのボーダーと考えると

横浜44/13=2.10 残りの試合を平均1.85で平均勝ち点2.0つまり68ポイントとなります。
残りの試合を7勝3分3敗で68ポイント。

広島43/13=2.05 残りの試合を平均1.92
7勝4分2敗で68ポイント。

浦和40/13=1.90 残りの試合を平均2.15
8勝4分1敗で68ポイントなので、2敗すると厳しいという予測になります。

優勝争いは実質的にここまで

大宮と大阪は36/13=1.71 残りの試合を2.46としなければ68ポイントに達することはないので、3位以内を目指すのが現実的な目標ということになります。

下の表とグラフは、直近5試合の平均勝ち点を表したもの。
チームの勢いがみてとれると思います。
横浜はスタートの連勝の貯金が豊富なため、勢いが落ちた時期でもトータルでは勝ち点2.0を前後してキープ出来ています。現在も3連勝中なので、この勢いがどこまで続くのか?によっては独走態勢に入るかもしれません。

広島は上位グループの下のほうに追従してシーズンを進め、横浜や大宮の勢いが落ちたタイミングで首位に至るも横浜の勢いが再び勝ってきたタイミングで二位に落ちてるという状況。のべ平均勝ち点2.0に達したのは15節。
シーズン前半はACLとの連戦と露骨な広島対策に苦労しましたが、ACLが終わり、広島対策に対する対策をとってからは手堅い勝利を重ねてきました。

浦和は連勝の後に、勝てない試合が続くなど、平均勝ち点に届かない位置を上がり下がりしています。爆発的な連勝ができればいい位置につくことができると思うが、妙な負け方をすることもある波あるチームなので、下手をすれば3位より下になる可能性もあり。

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横浜は今後の13試合のうち8月の3試合の中日に、浦和×横浜の直接対決が有ります。
その前後も含めると、×鹿島、×浦和、×大宮、×大阪と上位対決が多い。
浦和も広島も下位のチームとの対戦。
8月終了時点で、横浜の勢いが続くのか?それとも浦和が調子にのるのか?はっきりしてくると思います。2チームに絞られるかも。
29節には広島と横浜の直接対決。
その後残りは5節なので、ここである程度の優勝争いの流れが決まると思います。

暮しの手帖

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暮しの手帖社が、「戦争中の暮しの記録」と言う本を出しています。
60年代に暮しの手帖の別冊として出版された後に、単行本として刊行され現在まで続いています。
おそらく出版社が続く限り、版を重ねて出版され続けるのではないかと思います。
花森さんは、戦時中には大政翼賛会で国民に対する宣伝を行う仕事についていて、「欲しがりません勝つまでは」の名コピーにも関わっている人。
あの不幸な戦争については、想像以上の深い思いがあると思います。
その思いが形になったものの一つがこの本だと思います。

僕達が戦争というと、戦場での戦いや、外交や戦略、様々な運動のように、マクロの視点で捉えたり、そういう動きに流されたりすることが多い。政治や外交のフィールドで戦争や平和を語るのが我々庶民の立脚点として正しいのかと常々疑問に思っています。
しかし、この本は、戦時下の様々な人が、自分の言葉や文字でその苦難に満ちた生活を等身大に語っているもの。
いかなる環境であっても、家族や個人がいかなる境遇であっても、力強く、時には泣きながら暮らしは成り立っているということに改めて感じるものはあります。
幸不幸は糾える縄のごとく、非永続性、非連続性のものであると同時に、そもそもが相対的なもの。
現在の自らが置かれている環境や状況の中で精一杯生きること。
それが暮らしの原点であると思います。
明日は、我が国が最後に戦争を終えた日から丁度68年。
この本はまだ読みかけなので、明日はこの本の一人ひとりの生活と向き合う一日としたいと思っています。

梅雨

梅雨が終わってしばらく夏らしい乾いた暑さの日が続いていましたが、湿った空気が悪さをして、日本海沿岸に記録的な豪雨を巻き起こしているようです。
この梅雨という厄介なものは他の国では以外とないようで、アフリカや欧州、アメリカ大陸でも無い。インドは雨季や乾季はありますが梅雨ではない。東南アジアから日本、朝鮮半島南部までの現象のようです。
この梅雨がもたらしたものは多く、緑豊かな自然環境と同時に、自然に感謝し畏れ、敬う意識も醸成しているように思います。
日本人の特性のうち、調和する能力は、気候や自然環境と農作業の長い歴史の影響がおおいと思います。
梅雨によって育てられてることに先ずは感謝したいと思って毎年暮らしています。

この梅雨がなぜ起きるのか?明確なヒントはなかったのですが、あるときヒマラヤ山脈がその原因との話をきき、なるほどと腑に落ちました。
東から西に大気が流れる時、ヒマラヤ山脈によって北と南に気流が別れます。それぞれ対照的な特徴を持つのですが、それが再会するのが中国南部から日本にかけての地域だそうです。
そのぶつかり合いが梅雨前線ということです。
飛行機が飛ぶ原理の説明に使う翼と二つに別れる気流の図を思い出すとよくイメージできると思います。
つまりヒマラヤ山脈がなければ二股に別れることもないので、東南アジアや東アジア南部の気候はもっと平べったいものだったかもしれません。
ひょっとしたらパキスタンやイラン沿岸部のような気候であった可能性もあるのか?

実は、アジア人の祖先も同じで、アフリカを出発した人類は、ヒマラヤ山脈の北と南に別れました。
北に行った人たちは一重まぶたのしょうゆ顔で、モンゴルで遊牧をしたり中国で覇権争いをしたりしていました。
南に下った人たちは、今は水没しているインドネシアの大陸でのんびり暮らしてたと思います。その末裔はインドネシアだけでなくタイやポリネシアに住んでいます。二重のソース顔。
その両者が合流したのも中国南部から日本、朝鮮半島南部あたりです。
この東アジア南部という地域の魅力は、ヒマラヤを始点とするの分かれ道の合流点という地理的条件によって成り立っている。
そう思うと、梅雨が更に愛おしく思えてきます。

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