ザ・ホワイトハウス

昨日から、BSジャパンで「The West Wing」の吹き替え版「ザ・ホワイトハウス」が再び放映されました。
ファーストシーズンは22回。
以前、NHKで放映されて話題になったドラマです。

http://www.bs-j.co.jp/whitehouse/index.html

ホワイトハウス西棟つまりアメリカ大統領官邸に勤めるスタッフたちを描いたドラマ。
アメリカの政治システムや、アメリカの民主主義、メディアや支持率など、大変興味深い内容です。
映像のクオリティも脚本もよくできています。もちろん制作費も莫大な額だったそうです。
輸出を前提にドラマを作ってるので、それも可能なのでしょう。

泡沫候補だった元数学者の大統領候補が、若いスタッフたちの活躍で奇跡的に大統領選を勝ち抜き、選挙スタッフがホワイトハウスの中枢スタッフとして活躍する話ですが、日本の政治状況に近いところも多々あります。
昨日の第一話では、大統領が自転車事故で怪我をする話。
民主党による政権交代を成し遂げても、スタッフのミスや、失点を恐れる大統領の弱腰で、支持率がどんどん下がります。この調子では中間選挙も勝てず、再選は難しいというところまで追い込まれます。
それを反転させるのがこのドラマの重要なストーリーとなります。日本ではどうなるのでしょうか。

「日本辺境論」内田樹

内田樹さんの「日本辺境論」を読んでみました。
日本は辺境であり、日本人固有の思考や行動はその辺境性によって説明できる・・・という日本論です。

具体的なエピソードも多く、非常に読みやすく、深くうなずいてしまう所も多く、あっという間に読んでしまいました。

僕は15年ほど前から、日本とは何か?という答えの無い疑問を解明すべく、いわばライフワークのようにいろいろ見たり考えたりしてるのですが、、、
この本の初っぱな23ページ目に、、、

「私たちが日本文化とは何か、日本人とはどういう集団なのかについての洞察を組織的に失念するのは、日本文化論に「決定版」を与えず、同一の主題に繰り返し回帰することこそが日本人の宿命だからです。」

とあります。
地球が半永久的に太陽の周りを回るように、日本人は日本人論を繰り返し繰り返し問い続けるのです。
この回帰性が逆に日本の特徴だという話。

20年ほど前に、大学の卒業設計で、色々考えて一つのプロジェクトを行いました。どうも納得いかなくて、短時間で二つ目の設計を行って完成させました。その両者に共通するテーマが、循環性でした。
循環する大きなシステム対して、カーブボールを投げるようにひねりを加える小さな作業が、都市に建築をつくること。ということを表現したかったのだろうと、今になってみれば客観的に考えることが出来ます。

この本の、若干自虐的な知識人的文体は気になりますが、非常に楽しめて、為になるうえに、表現の巧みさを感じることができる、いい新書でした。

今年の広島はエジプトより暑かった。

今年の8月の暑さは異常でしたね。
とにかく、広島は雨がなく、非常に乾燥した暑さでした。
直射日光は激しく注いでいますが、風さえあれば日陰は過ごしやすく、これまでの蒸し暑い夏とはまるで違う暑さだと感じました。

なんとなくアテネのような地中海性気候のような暑さかな?
と思って調べてみた結果がこちらです。

          平均   朝の   午後の
     平均気温 最高気温 平均湿度 平均湿度 降水量
ローマ平年 23度  28度  84%    68%   20mm
広島平年  27度  30度  85% 71% 65%   100mm
アテネ平年 27度  31度  58%    61%   6mm
カイロ平年 27度  33度  85%    38%   0mm
台北平年  29度  32度  87%    72%   276mm
広島2010年 30度 35度     62%      5mm

広島の平年値は、ローマよりもやや暑く湿気ていて、台北よりもやや涼しく乾燥しているという感じですね。
今年の広島の8月は、アテネよりも暑く湿度はおぼ同じ。カイロよりも暑く、台北よりも暑かった。
という感じです。

降水量や湿度の傾向でも、やはりアテネが一番近いですね。平年よりも湿度は10%低かったわけです。
オリーブや柑橘類の生育に適した気候です。農作物は大丈夫なのでしょうか?

今回は、地球温暖化というよりも、太平洋の海水面の温度が原因だったようで、日本列島をすっぽりと長期間高気圧が覆っていて、台風もできない状況です。

瀬戸鉄工

僕が育った川尻町には、瀬戸鉄工という鉄工所があります。
ここの、「焼いりこ」は、カタクチイワシを高圧でプレスすると同時に加熱して煎餅状にしたものです。
愛用してる人、どこかで見かけたことある人も多いと思います。
かの白洲正子さんも、かつて愛用していたと雑誌でみかけたこともあります。

今朝の新聞に、旨み成分を入れることで、一般の塩よりも20%塩分をカットした「減塩 味ものがたり (海人の藻塩)」が紹介されていました。
塩分のとりすぎは体に負担がかかります。冷蔵庫の普及で、保存食品の塩漬けが減り、東北では心臓病が激減したという話がありましたね。

元々は普通の田舎の鉄工所のはずなんですが、、、
近くに友達が住んでいたので、建物には見覚えがあります。
社長がちょっと変わったアイデアマンなのかな?
うれしいニュースです。

川尻町とお隣りの仁方の間に、蒲刈に渡る橋がかかっています。
ここは、女猫の瀬戸と呼ばれる潮流の激しいところで、いい魚が取れるところだそうですね。
イリコといえば、小いわしを干したもの・・・というイメージですが、元々は熬海鼠。
干した海鼠のことなんですね。
日本は清からシルクや漢方薬を輸入するために、石見銀山の銀を使っていましたが、これが枯渇した後は、物々交換による貿易に切り替えようとします。
食にはうるさい清ですし、出汁を取るための乾燥物は非常に高価です。
フカヒレやツバメの巣など。
干し海鼠も非常に価値が高かったようで、川尻からも大量に出荷されたようです。
あまり知られていませんが、牡蠣の産地ではシーズンオフには中国向けの干し牡蠣をつくっているところもあるようですね。いい出汁が出るそうです。

この旨味産業を受け継いでいるのが、瀬戸内沿岸であり、この瀬戸鉄工ということかもしれないですね。
カルビーも広島発祥ですし、オタフクソースももちろん広島。
どちらも焼いた澱粉に旨味成分をからめて軽食やおやつにするというもの。
地域が伝統的に受け継いでいる文化というものは、煎じ詰めれば人の喜怒哀楽の感覚ともいえます。
この調子で、旨味産業を活性化させて、地域を豊かなものにしていって欲しいものです。