決勝トーナメント

スペインの調子が上がってきて、なんとか一位通過したところで、決勝トーナメントが確定しました。

日本はパラグアイと。韓国はウルグアイとやります。
ドイツはイングランド。ゲルマンとアングロサクソンの65年ぶりの戦いです。
スペインはポルトガル。元々ひとつの国だったので元々イベリア半島のひとつの国でしたし、面白い戦いになりそうです。日本とパラグアイの勝者はここの勝者とやります。ちなみに欧州予選ではデンマークとポルトガルが同じグループで1位がデンマーク、2位がポルトガルでした。
ブラジルはチリと。南米予選1位と2位の戦いです。予選ではブラジルの2勝です。
アルゼンチンはメキシコと。どちらも元スペイン植民地のスペイン語圏同士。スタイルも近く面白そうですね。
オランダはスロバキアと。スロバキアは唯一決勝Tに進んだ東欧。国旗の順番は違えど、色は同じですね。
アメリカはガーナと。ガーナは唯一決勝Tに進んだアフリカ。ガーナは奴隷貿易の拠点だった場所なので、アメリカとは古い縁があるといえばあるかも。

日本代表は、世界を驚かせることに成功しました。
世界のサッカー界は、ビッグクラブのスタープレイヤーがその中心を占めてきました。
しかし、今回のW杯では、シーズンを終えた過労気味のスタープレイヤーの輝きが見えてこないことと、代表のスター選手が国外クラブでプレーすることが多いせいか、噛み合っているとは言えない状況にあると思います。
今回の欧州不振と、アジア、南米の好調さは、スターに依存しない地道で協調性に富んだプレーが結果につながっているということだと思います。

日本代表は、労を惜しまず、走ること。コレクティブに守備し、コレクティブに攻撃すること。敏捷性を生かし、無理なドリブルよりもショートパスを活かすこと。セットプレーを活かすこと。状況に応じた臨機応変な攻守。
オシムが地ならしと、基礎、土台を築き、岡田監督が発展させた日本らしいサッカーが出来ています。
まだまだ伸びていきそうな勢いもあります。
この調子で終りなき疾走に僕たちを連れて行って欲しいものです。

番狂わせの結果

グループリーグでは数々の番狂わせがありました。
リーグ4チームのうち、シードされた強豪が1位で抜けて、中堅のうちのどちらかが2位で抜けるだろうというのが平凡な予想だった。
世の中は平凡な予想よりも面白い。

Eグループは日本とデンマークの直接対決。
オランダ勝ち点6(おそらく1位)
日本 3
デンマーク 3
カメルーン 0(敗退)

Fグループはキウイ次第。
パラグアイ 4(1位か2位)
イタリア 2(2位か?)
ニュージーランド 2
スロバキア 1(?)

Gグループはほぼ確定。
ブラジル 6(1位だろう)
ポルトガル 4(2位だろう)
コートジボアール 1
北朝鮮 0(敗退)

Hグループは、ぜんぜんわからない。スペイン敗退の可能性有り。
チリ 6(1位か2位?)
スペイン 3(2位?)
スイス 3(2位?)
ホンジュラス 0(敗退)

という感じか。

これを決勝トーナメントに当てはめてみると、、、

オランダ×イタリア ブラジル×スペイン又はチリ
この勝者同士の勝者がベスト4

日本又はデンマーク×パラグアイ ポルトガル×チリ又はスイス
この勝者同士の勝者がベスト4

となる。

上のブロックは、出場国でもFIFAランキングの上位ばかりの死のブロック。
下のブロックは、下克上というか番狂わせの地味なブロック。

日本が決勝トーナメントに進出することがあれば、以外とやれるかもしれない・・・と思ってしまった。
番狂わせがなければ、日本のいるEグループの2位はイタリアと対戦すると予想されていたし、それに勝ったとしてもスペインと対戦すると予想されていました。
今夜から、各グループの2試合が同時開催されて、グループリーグが終わっていきます。
波乱が多かった今回の予選が、最後はどんな物語に仕上がるのか。最初のヤマが始まります。

Giant killing/番狂わせ

今回の南アフリカワールドカップは、番狂わせの試合が結構出てきています。
勝った試合では、韓国と日本、スイスが世界を驚かせたと思います。
FIFAランキングの順位差で計算すると、ギリシャ-韓国=35、カメルーン-日本=26、スペイン-スイス=24といったところです。
引分けの試合では、今日未明のイタリア-ニュージーランド=73がダントツです。
ホームで初戦の南アフリカ×メキシコは置いておいても、その次がスロバキア-ニュージーランド=66

アジア、オセアニア勢の検討が光ります。同時に、欧州リーグのスター選手を抱えるチームの苦戦が感じられます。
長いシーズンが終わってからの大会なので、選手のコンディションやチーム運営がまだ軌道に乗っていないのでしょうか。

一応、W杯にもジンクスと言うのがあって、、、
欧州チームは、欧州開催以外では優勝できない・・そうです。確かに欧州勢は勢いが無い。
あと、初優勝したのは自国開催のみで、基本的にはかつて優勝した国しか優勝できない。欧州と南米が交互に優勝し(2002ブラジル-2006イタリア)、コンフェデ優勝国(2008ブラジル)はW杯優勝できないそうなので、今回はアルゼンチンが優勝というのがジンクスのお告げです。どうなるのでしょうか。

ちなみに日本の予選最終戦のデンマークとのFIFAランキング差は10。
番狂わせとは言えない差です。
我慢するサッカーばっかりだったので、このへんで目がさめるようなパス回しを披露して世界をあっといわせて欲しいですね。

◯勝ち
韓国(47)2 – 0ギリシャ(12) △35
日本(45)1 – 0カメルーン(19) △26
スペイン(2)0 – 1スイス(26) △24
セルビア(16)0 – 1ガーナ(32) △16
カメルーン(19)1 – 2デンマーク(35) △16
ドイツ(6)0 – 1セルビア(16) △10

◯引分け
イタリア(5)1 – 1ニュージーランド(78) △73
南アフリカ(83)1 – 1メキシコ(17) △66
ニュージーランド(78)1 – 1スロバキア(38) △40
イタリア(5)1 – 1パラグアイ(30) △25
コートジボワール(27)0 – 0ポルトガル(3) △24
イングランド(8)0 – 0アルジェリア(31) △23
ガーナ(32)1 – 1オーストラリア(20) △12

お米

Farm Garden 黄昏
日本不耕起栽培普及会

僕はお米が大好きです。非常に。
お米と少しのおかずがあれば基本的には満足です。
毎日のことなので、安心できるものを食べたい。
そう思って、ここ数年、伊賀の農家から玄米で送っていただいて、コイン精米所で精米して食べています。
去年知り合った友人で、大学の隣の研究室の後輩でもあるコーセイ君が、秋田で農家の跡を継いで、不耕起栽培で米作りをしています。
その不耕起栽培をトラストの方式でやるというので、今年から一口参加させてもらうことにしました。

不耕起栽培という農法が面白そうなので、昨日2冊本を読んでみました。

岩澤信夫さんの「究極の田んぼ 」「新しい不耕起イネつくり―土が変わる田んぼが変わる 」です。

素人なので、技術的なことはわかりませんが、、、、
戦後の高度成長の中で獲得した農業技術を否定することなく、逆に現代に必要とされる安全性や、環境に調和した技術を追求したということだと理解しました。
元々は、省力化と地力を生かすことを目的として、耕さない水田を研究していたのですが、機械で植えることや、雑草のことなどの問題を解決していくなかで、冬の間も水をはることに到達します。
不耕起水田専用の田植機も開発しました。

福岡さんも耕さない畑に、直接籾を入れた泥団子を使って稲を育てることをやっていたそうですが、インディカ米向きで、ジャポニカ米との相性はよくなかったようです。

日本には、水田による稲作の到来よりも古くから米があったとする遺物が出てきています。
おそらく、焼畑農業のような畑作による米の栽培だったのではないかと思います。
福岡さんは弥生以前の農法に近いのでしょうか。

水田による稲作は、天然の沼地で始まったようです。
雲南省あたりで里芋栽培をやってた人たちが、稲を沼の泥に植え替えて育てることから始まったとか。
畑作と違う画期的なメリットは雑草対策です。ベトナムでは、川の中に稲を植えていたので、当然水面からのぞいてるのは稲穂だけ。
船と水泳で農作業をやっていました。

岩澤さんがやってる農法は、人工的に管理されている田んぼを、一年中水を張ってる沼に変えて、微生物やイトミミズ、昆虫など生態系をつくることで、肥料や雑草、病気、冷害などに打ち勝つ強く荒々しい稲にしようということではないかと思いました。

これは、稲作や農業だけに関わる話ではなくて、建築や文化や生活、工業や社会にまで関わることが暗示されているように思います。
20世紀初頭に近代主義が生まれて、第二次大戦後に世界に広まりました。日本やドイツはその最も優秀な近代主義の生徒だったと思います。
第一次大戦以後、国家総動員体制で大戦に備えるために、日本やドイツは国を作り替えました。
戦後は、経済発展に、国家総動員体制を応用し、経済消費大国として今に至っています。

日本(や20世紀の経済消費大国)は、軌道修正を行うべき状況に至っていると誰もが思っていますが、まだ明確な方向を皆で共有出来ているとはいえません。むしろバラバラな方向を向いてる感じです。

岩澤さんの農法が面白かったのは、様々な無農薬有機栽培の人たちと違って、イデオロギーよりも先にリアリティがあるところ。
あくまで農家が生産量をあげて、経営を楽にするために、自然農法を選択しようと言うところです。
戦後65年の間、多くのものを捨てて、多くのものを獲得しました。
20年前に非効率的であるから捨てられた物は、現代では効率的であるかもしれない。
岩澤さんが苦心して開発した不耕起栽培の田んぼが、戦後に近代化された田んぼよりも優れていて、それが4400年前の天然の沼のようなものであるなら、テクノロジーがぐるっと一周りした感じで、非常に面白いと思うのです。