コレクティブ/collective

先日の日本代表とイングランド代表戦
4バックの前に阿部を置いた4-2-2-3(4-1-4-1)が非常に効果的でした。
日本の選手が三角形を構成して、ワンタッチでうまくボールが廻していました。
流れの中からの特典はありませんでしたが、いい形は何度か作れました。

しっかり守って、ボールを獲得したら、全員で押し上げたカウンターというのが、このチームで起こりうる攻撃の主な形だと思います。
個人の力で打開するほどの選手はいないので、全員で、連動したコレクティブな攻撃がうまくはまるかどうかですね。
あの形であれば、憲剛や稲本もはまると思います。

しかし5バックでしっかり守って、ワンタッチでコレクティブカウンターアタック。最後はムチャクチャ攻撃されてよれよれ・・というのは、今シーズンの広島で何度も何度も見てきた光景。
状況によっては、阿部を最終ラインに吸収して3バックにして、長友や内田をもう少し前で使うというフォーメーションも面白いと思います。

銀閣

先日、NHKで銀閣の番組がありました。
「銀閣よみがえる~その500年の謎~」

解体修理をしていた銀閣の修理中に明らかになったいくつかのことをレポートしています。

庭については、安土桃山時代にポルトガル人が伝えた欧州のルネッサンスの設計思想が反映されていると言う話があったので、今回、附属建物の配置や池の形が違っていたと言うのは書物で呼んだことが有りました。
興味深かったのが、2階の外壁に塗られた白土です。
銀箔という噂もありましたが。
漆喰が使われるようになったのは、海藻の糊が普及する関ヶ原以降のようなので、当時は白い土を塗ることで銀を思わせる白い壁を作りたかったのでしょう。

谷崎潤一郎のエッセイにも有りますが、金も銀も、闇の中に浮かべて楽しむもの。
一階の書院から東に池が広がっています。月夜には、銀白にわずかに光る2階の菩薩堂が池に映り、月と一緒に静けさの美を表現していたと思います。
現在は銀閣は黒く深く沈み、銀沙灘が夜は銀色に輝いていますが、昔はそれが銀閣の建物の上下で同じ気配がしていたのでしょう。

銀閣は、現在至るCoolBeautyの象徴的な建築であり、世界観です。
一休宗純-村田珠光-千利休-小堀遠州—と、日本の美の本流と言うべき出発点でもあります。

学生時代から何度も観てきた銀閣ですが、改めて眺めてみたいと思います。

昨日の韓国戦

昨日の韓国戦は、みんながっかりする結果だった。
恐らく、監督や選手が一番がっかりしたと思う。

細切れのホーム&アウェーを戦う予選と、長期間一緒に戦う本選では、相手も違うし、チームのあり方そのものから違う。
なので、予選と本選ではチームのポリシーが変わったとしてもびっくりすることはない。
でも、それが中途半端じゃ昨日のようなことになる。

強豪相手に、完全に崩して点は取れそうもない。
得意のショートパスを廻す攻撃は、鋭いカウンターやロングボールに弱い。
それで、守備に重点を置きつつ、攻撃もほどほど・・・という感じで監督としては調整したつもりだったと思うが、その結果を試す試合が、鬼門の韓国戦で壮行試合だったということ。
守備と中盤と前線では、選手の思いはちぐはぐで、それを一つにするには、試合経験しかない。それもいい形で勝てる試合。
残されたイングランドとコートジボアール相手の2試合で、同じ絵が描けるのか?時間との戦いです。

宇宙戦艦ヤマトのような悲壮感漂う旅立ちですが、自分たちのストロングポイントを信じて、思いっきりやればいいのではないかと思います。
オランダとの親善試合の前半のように、世界をびっくりさせればそれで十分だから。
オリンピック選手がいつも言ってることですが、大会を楽しむということ。
まずは監督が(開き直って)楽しんで欲しいものです。