先日、NHKのドキュメンタリー海の民バジャウの少年
が放映されていました。
とても美しい南の海に暮らす少年の話。興味深かったのは、その一族の暮らし。
海の上に建てられた高床の集落に暮らし、元々は船で暮らしていたという。
広島の厳島神社は、海の上に建つ高床の神殿で、船に暮らしていた人たちの集落も瀬戸内にはいくつもあります。
その土地や社会制度に縛られない自由な生き方は、昔から心惹かれるものがありました。
ハリー・アルロ・ニモさんは、大学院生だった60年代にバジャウ(パンジャウ)の集落に2年ほど住み、世界に初めてバジャウを紹介した人物。
この本は当時の幸せに満ちた日々のエピソードを綴ったエッセイ集のような形をとっています。
今はずいぶん失われていると思いますが、当時の食生活や生活文化が伺えて大変興味深い。
関野吉晴さんの本は、動乱の時代を経た現在のバジャウの人たちを訪ねた写真中心の本となっている。
失われたといいつつ、まだ明るく暮らす希望が伺えて少しホッとする内容。