海の神々展@九州国立博物館

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太宰府にできた九州国立博物館が一周年記念の企画展として「海の神々展」をやっていたのでのぞいてみました。
非常に大きなスケールの建物が、谷間に鎮座しているという感じですが、表に回ってびっくり。建物に顔がついていました。
生命のスケール感覚をオーバーしたハードな空間と、キッチュな亀の顔が複雑な気分。
そのまま博物館にはいると、場末の観光地というか、物産展の雰囲気でした。
ハードなものをなんとかソフトにしようというのか、それはそれで異空間という感じ。太宰府政庁→太宰府天満宮→博物館というルートを大型バスで乗り付けるのだったら、気分は盛り上がったかもしれない。

企画展は非常に興味深いものでした。
住吉、宗像など北九州ゆかりの神社や、その流れの厳島神社、同じく百済系の大山祇神社などから、貴重な国宝クラスのものからレプリカまで、あまり脈絡無く展示されていましたが、なかなか一堂に会することのないものばかりなので、面白かったですね。
海洋神として祀られている人のルーツの多くは百済地方のようでしたが、八幡神は新羅系ではないかと思うのですが、そのあたりは興味あるところです。

香椎@福岡

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ちょっとした仕事で福岡に行ったので、香椎に行ってきました。
共同住宅が建ち並ぶ地域の中に、磯崎新がプロデュースした建築群がすっきりと建っていました。
丁度大学を卒業する前後あたりの時期に建ったと思います。
バブルが終わり、ながい不況社会が始まるあたりでした。
それなりに生活感もあり、きちんと住みこなされている部分もあり。時代を超えて残ってゆくだけの魅力を持っていました。
コールハース棟の外壁の石垣風コンクリートは、微妙に感情をくすぐるものがありました。
その後の活動を見ると、非常にいい人選だったと思います。

広島新野球場

中国新聞地域ニュース 新球場は躍動するコイを表現
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岩国の防衛施設庁がらみのいざこざに巻き込まれて妙な展開になった野球場のコンペが、再度仕切り直しになって、最終案が選ばれたようです。
最優秀案は、仙田満さんの事務所。かなり意外な結果でした。
新幹線から野球場が見えるというアイデアは、最初はええええと思いましたが、半日考えてみると、それはそれで面白いなと。
試合中に新幹線で通り過ぎる南側の窓際の人だけでなく、試合がない昼間に通り過ぎる人にも、何らかのメッセージを伝えることができると思います。
どこかでそんな風景を見たなと思ったら、名古屋。
新幹線から瑞穂競技場の照明が見えたような記憶があります。
名古屋工業大学に勤めていた仙田さんが、新幹線から競技場を見ていた印象が、今回の案の背景にあるのではないかと勝手に深読みしてしまったのですがいかがでしょう?

秋吉台国際芸術村

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秋芳洞の帰りに、以前から気になっていた磯崎さん設計の秋吉台芸術村に立ち寄ってみました。
幹線道路から外れた山裾に位置しています。棚田に適していそうな場所ですから、元々は田圃だったのかも知れません。
ゲートの外に駐車場が配置され、居住棟横を歩きながら、最上部に位置するホールに向かうという動線となっています。
コンパクトなホールとギャラリー、多くのスタジオ、レストランや十分な量の宿泊施設などしっかり作り込んでいるので、使用頻度は著しく少ない建物のようですが、場の持つ魅力が最大限かき立てられています。
面白そうな企画も多々あるのですが、広島から行くにはちょっと遠いですね。

しかし、立地や規模、利用目的や頻度、維持管理など、文化と建築と社会の関係性の実情を見ると、複雑な気持ちにはなります。