佐藤寿人

僕は、アーティストやアスリートのいわゆるファンになるということは、あんまりないのですが、この佐藤寿人だけは別格です。
プレーがシンプルで、機動性と敏捷性が高く、ゴールにつなげる勘が鋭い。
相当なナルシストだけど何故か嫌みがない。
プレーを見てると、ほんとに気持ちがいいですね。もちろんゴールシーンだけでなく、前線から味方のペナ付近まで守備に戻ったりする汗かきプレーも。

ピナ・バウシュ「カフェ・ミュラー」

先日、NHKの芸術劇場で、ドイツの舞踏演出家ピナ・バウシュと、作品「カフェ・ミュラー」をやってました。
面白い作品だったし、ピナのインタビューも良かった。
一つ一つのことに誠実な人。

このとき椅子を動かす動きをしていたダンサーのジャン・サスポ−タスさんと斉藤徹さんによるツアーがあります。
広島公演は9月18日(月)です。

Jean Sasportes & Tetsu Saitoh DUO tour in Japan 2006

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目指すことと、それを実現すること

昨日は新しい日本代表と、トリニダードトバコの親善試合がありました。
前半は非常にいい形がつづき2得点。
中盤やディフェンスラインが流動的で、ボールも人もよく動き、少ないタッチ数で何度もチャンスが生まれていました。
サッカー協会(技術委員会)が長年目指していた形がある程度見れたと思います。
広島の小野元監督(現協会技術委員長)も、今期やろうとしたサッカーでもあったと思います。

小野監督は去年までは、○○の時は△は□。といったように非常に多くの複雑な約束事をつくることで、緻密な動くサッカーを実現しましたが、今年は優勝を狙うという目標のもとであえて大きなリスクを冒しました。
中盤のポジションを流動的にし、選手に自由度を与えることで新しい形をつくろうとしたのです。
結果は、選手が適応できず、最下位に沈没しました。

オシムは選手を自由に選択できたけど、練習は三日のみ。練習試合は一回。
それである程度目指す形をつくることができたのです。
ピッチ上の選手に自由度を与えるということも、長くジーコが言ってきたことですが、ジーコとはまるで違う形で選手たちは自由に行動していました。
目指す世界を具体的に説明することなく各自にイメージさせ、反復した練習で体に覚えさせた結果です。

目指した世界は同じでも、それを実現する手法やプロセスが非常に大切で、その力が監督の力であると言えます。
僕たち建築の設計の仕事でも同じですが、図面を描くことによって構想された空間を、現実のものとする手法やプロセスが非常に大切です。
現実の出来事にはIFはありません。実際に起こったことのみが唯一の真実となりますが、未来については確実に選択肢は多く、可能性は広がっています。
ジャンルは違えど、目指す世界を鮮やかに実現する手法を持っているオシムからは学ぶことは多いと思います。

日本海沿岸を彷徨う

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今年は一度もキャンプしてないので、日本海沿岸に海水浴も兼ねて出かけることに。
いつものように、行き先、宿泊先は現地で決めるという手法。
地元出身の方に詳しい情報を聞いて、地図にプロットして出発しました。
浜田ICまでは高速道路が繋がっているのであっという間で到着。それから宿営地を探しました。
宿営地は、「気持ちがいい場所」でトイレがあればいいという条件だったのですが意外と大変。
というのは浜田市(や周辺の町村)には銭湯がないようなのです。
だからシャワーもとなると、海水浴場しか無くて、海水浴場はキャンプ禁止。
海を汚す奴もいるだろうから、排水設備がないとこだとしかたがないだろうな。
それで、浜田から江津を経て温泉津町に到着。ここには海沿いにキャンプ場があります。
当初期待したような一面砂浜の海ではなくて、石灰岩の島や岬が入り組む海岸だけど、結果的には非常に面白かったです。
小魚の群れは多いし、海草も色とりどりで綺麗だし、人も多くなくてそれなりに静かだった。

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一泳ぎして、夕方にいよいよ温泉に行ったのですが、古い街道沿いにいろいろな鄙びた温泉があって、どこに入るか迷ったけど、対向車を避けてなんだかんだしているあいだに、長命館の駐車場に止めるハメになったので、まあいいかと思って入ったら、大正解でした。
温泉津最古の温泉で、源泉をそのまま流し込んでいるので、強烈に熱い。
日焼けした体に火傷しそうな湯は拷問のような感じでしたが、よく効きました。
半年前から痛かった足がすっかり痛くなくなりました。
サッカーで足を痛めた人は、温泉が一番ですね。

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その長命館の駐車場に不思議な像があったので、よく見てみると、なんと妙好人才市の像でした。
鈴木大拙が非常に高く評価する浄土真宗の門徒で、まるっきり教育をうけていない職人なのですが、書き残した言葉は、仏教の悟りを開いたレベルだったようです。
素朴な人だったのに、観光資源にされてしまっている現状を見ても、淡々としてるだろうなと思うと、それはそれで面白かったです。
温泉津温泉は、海水浴の後に行ってはいけない。とくに色白系の人は。これ教訓です。