昨日、NHK総合で宮崎駿の番組があったので観てみた。
番組自体は長期密着取材という割に内容(取材姿勢)が乏しかったけど、端々に見られる宮崎さんの言葉や行動は面白かった。
来年夏の新作(長編では最後の作品)の構想からスタートを切るまでを切り取ってるのだが、この世に存在しない新しいことを作り出すための一つの手法が面白かった。
元々監督業と言うよりも、絵コンテを描くことが専門の人だったので、ひたすら絵を描くことで作品の全体像をつくりあげてゆく。
時間感覚やストーリーまでも象徴する絵を描き切れればはじめてスタートできるということみたいです。
現在のジブリの生み出した映像美の世界には未来はないと気付いているみたいで、最後に素朴な質感の映画をつくろうとして苦闘しているようですね。映像の美しさに目を奪われるのではなく、映画そのものに飲み込まれるような作品にしてほしいですね。
主役は金魚姫。小さな女の子と男の子という感じですから、ハイジとペーターの海辺版か。
楽しみですね。
生活
弥山
日曜日は今年初めてのオフとなりました。しばらく体も動かしていなかったので土曜日の夕方はフットサルの練習に参加。(これも今年初)
迷ったあげく宮島に行くことにしました。
毎年正月の二日か三日に厳島神社に行くことにしているのですが、今年は広島にいなかったので、遅い厳島神社初詣も兼ねてと言うことに。もちろん神社だけでなく、弥山にも登りました。歩いて山に登ったのはほんとに久しぶり。
暖かい春のような日差しの中、かなり短くて急な道でしたがほどよい疲れと気持ちのいい空気がなんとなくやみつきになりそうです。
空海の火が残る霊火堂は失火のため消失したとのことでしたが、新しく再建されていました。美味しい白湯が煮立ってるお釜は昔のままのようでした。
弥山から瀬戸内海側を見ると、似たような急カーブの峰を持つ島が四国まで続いています。江田島、大黒神島、倉橋島、、、
本州側を見ると、海岸線の僅かな居住地帯の背後には切り立った帯のような山が連なっています。
日本はオホーツク〜東アジア〜太平洋の4つのプレートがぶつかる場所に位置しているのですが、弥山や瀬戸内の島々は、太平洋がアジアにぶつかってきて、おしつぶされてできたシワのようなものです。
はるか後には日本列島はヒマラヤのように押しつぶされて、持ち上げられてしまうようですが、そのときには弥山山頂の巨石群もどこかの山頂を飾ることでしょう。
登山道と並行して走る渓流には多くの砂防ダムがありましたが、ほとんどが土で埋もれて機能を終えていました。弥山山頂でも台風の時の崖崩れや倒木の痕跡が残っていました。
自然と共生するということは、おおらかさと素直さが必要で、ふりかかる難問に対しても辛抱という言葉を忘れるくらい謙虚に対処することも必要だろうなと目の前で花のつぼみを食べる猿を見ながら思いました。
猿から随分離れてしまったと思う自分と、猿とそれほど変わらないと思う自分がいます。両者のバランスがそれなりに取れてる状態を維持できてるようにしたいですね。
「広島県人は日本一、ビールとコーヒーが好き」らしい
がんす通信が、都道府県庁所在市別ランキング(平成15〜17年平均)から広島市関係をピックアップしています。
なるほどというものもあれば、びっくりというものもあり。
広島市がNo1のものは、、、
牡蠣:昔は普通に出回るような食材ではなくて、船に牡蠣料理店を載せて、販売促進したようですが、、、いつのまにかお茶の間に定着しましたね。松茸もそうですね。高度成長期に珍味が高級食材に変貌するという日本の食文化の変化があったということでしょう。
珈琲:へー。広島では珈琲に何もいれず飲んでると、好奇の目で見られます。甘い味付けが好きな土地柄なのでしょうか。
ビール:これもへー。です。焼酎やウイスキーを水割りにする人が多いので、アルコール濃度が高いお酒は好きじゃないのかなとは思っていました。ビールはアルコール度数に比べて割高(税金が)なので、このような結果になったのでしょうか。
お酒の支出の合計では、なんとあの高知を上回るという全国3位ですから、弱いビールをよっぽど沢山飲んでるということでしょうね。
茶碗・皿・鉢:これもへーです。広島は家庭の消費が非常に高い町らしく、瀬戸内沿岸では神戸を超えてNo1らしいです。なかなか壊れるものではない器を買い増すというのは、お買い物好きということなのでしょうか。
こうした統計は、固定された場所に住む日常の生活感覚とのギャップが面白いですね。
踏切
問題がある踏切を国土交通省が発表したのですが、広島県では20カ所。
そのうち近所の踏切が2カ所選ばれていました。
歩道が無いので、歩行者がいるときは車が通れず、途中で車が立ち往生することもあります。
沿線では人身事故は2〜3年に1回
最近法律が変わるまでは、元国営鉄道が許可しないので、測量すらできなかったそうです。
数年前に、地元の町内会でアンケート調査したのですが、結果には驚きました。
危険で渋滞の多い踏切を、地元の多くの人は歓迎しているのです。
不便になるため、地域内の通過交通の車の量が減り、踏切通過速度が遅くなり、歩行者を注意しないと踏切横断すらできないため運転者の緊張感が高まるから逆に安全とのことです。国道二号線の慢性的な渋滞が、住宅地を抜け道にする傾向を誘導しているため、生活路が通過交通の道路になることが多々あるのです。
都市計画的には、危険や不便として片付けられることですが、生活者の視点というのは、まるで違うなあと思いました。
計画する側という立場や、スタンスでは、物事を上から見がちなので、どうしても一般的な理想論を振りかざしがちです。その結果、現実の幸せとは乖離することも出てきます。
このニュースを見て、上からものを見るスタンスで計画を行うことは気をつけなければいけないことだと、改めて思いました。
解決すべき課題や、実現すべきハッピーな空間は、そこ固有のことであって、一般解が適用できるかどうかも含めて、そこ固有の方法をとるべきですね。