グラン・トリノ

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昨日は、朝からアメリカ大統領選の開票が始まりました。
アメリカの世論調査では、ほぼクリントンに決まりという雰囲気でしたが、英国の国民投票のように想定外のことも起こるかも・・・とも思って気になっていました。
激戦州のなかで大きな票田フロリダの動向を見ると、都心部ではヒラリーでしたが、トランプが圧勝の地区も多い。
7:3でヒラリーの郡もあれば、7:3でトランプの郡もある。
ミシガンやオハイオのような北部旧工業地帯がどう動くのかで勝負が決まるかな?と思っていたら、やはり。
このあたりは、予備選でもサンダースが勝った州。
衰退した工業地帯で、かつては大企業の労働組合が強くて民主党に忠実な州でしたが、グローバル経済の中で一番ダメージを受けた地域でもある。
オバマ→サンダースと来て、クリントンには行かなかったということか。

ミシガンの雰囲気を最も表してるのが、クリント・イーストウッド監督・主演の「グラン・トリノ」
フォードに勤めていて、退職した主演のクリント・イーストウッドは、かつて活気のあったが今は寂れた住宅街に住んでいる。
そこにアジア系の難民が住み着いたが、ひょんなきっかけで仲良くなるが、チンピラとのトラブルに巻き込まれて・・・
子供の頃あこがれたアメリカの中産階級が住んでいたであろう住宅地がスラムとなり、銃や暴力が蔓延した地方都市に多様な人種が住み着くようになって、かつて理想とされた秩序あるアメリカの幸福像が壊れている。
という話。

テレビで報道されたプアーホワイトだけでは過半数の得票にはならないわけですので、その選択の意図をもう少し読み解く必要があると思います。
ステレオタイプ的なトランプ支持層ではない普通のアメリカ人が、なぜクリントンを選ばなかったか?
サンダースを選ぼうとした人が、なぜトランプを選んだのか?
グローバリズムに変わる経済政策がつくれるのかどうか?
というあたりが気になる点です。

台湾に建築を観に行ってきました

今年前半は休みなく仕事をしていたので、秋に少し休みをいただいて台湾に建築を観に行ってきました。
今回のテーマは、宜蘭という町で長く仕事をしている田中央工作群の一連の仕事と、台中にオープンした台中オペラハウスを観に行くこと。
台湾は20年前に一度行ったきりだったので、その後の変化も是非気になっていました。蔡英文さんも魅力的な総統ですし、それを支える若い人たちの空気感でも感じられれば、今後の東アジアの未来をかいま見えるかも・・という期待も有りました。
丁度三連休があったので、その前ふくめて5日で、宜蘭、台中、台北の三都市を廻るので、かなり駆け足でしたが、交通の便はいいので移動は問題なさそうです。

初日は、桃園空港から台北の南港でバスを乗り換えて、直接宜蘭に行きました。空港から約2時間。数百円なので、交通費はかなり安いです。
夕方にホテルに到着し、チェックインした後、夕食と建築を求めて町に出ました。
あいにくの雨だったのですが、雨の多い国の日常を感じられるから、それも歓迎。

お腹は空いてなかったのですが、美味しそうな水餃子屋があったので、とりあえずご挨拶代わりに水餃子と酸辣湯。
ファーストタッチは大切とどのジャンルでも言われているけど、美味しい。安い。おばちゃんは感じが良い。いいスタート。

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大陸封鎖令

19世紀の初旬、ナポレオンは英国と対抗するために、欧州諸国に英国との貿易を禁止し、経済的に封鎖しようとしました。
今回の英国のEU離脱と主人公は逆ですが、似たような動きです。
ナポレオンはフランス革命が生み出した徒花で、そのグローバリズムの拡張とそれに対抗する英国という図式は非常に近い。
トラファルガーの戦いで惨敗し、英国上陸を諦めたナポレオンは、アウステルリッツでロシア・オーストリアを破る。
軍事力で勝てないナポレオンは、経済封鎖で英国を追い詰めようとしたのです。
英国は当然経済的に困窮しますが、同時に大陸の国も困窮。
結局、長い下り坂に陥っていきます。

今後の二年間の交渉に注目です。

le décret de Berlin

ヘレン・シャルフベック展

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1月3日まで三次市で開催されていた「ヘレン・シャルフベック 魂のまなざし」展に行ってきました。
19世紀末から作家活動を始め、丁度第二次大戦が終わった時期に亡くなります。
母国フィンランドは、スウェーデンからの独立や、ロシア、ソ連、ナチスドイツ、英国などの干渉や戦闘など様々な荒波の中で国そのものが浮き沈みする状況で、その中で創作活動を続けていくというのは今の時代では想像のつかないような苦労もあったと思います。
しかし、自分と同じ町に住む人の姿や表情を描き続けていきます。
表現も時代によって変化するのですが、最晩年の自画像は色もほとんどなく表情も失ったなんとも言えない絵となっていきます。

絵を描くことそのものが楽しかった時代、パリに留学し先端に触れた時代、辺境の国で身近な人を描いた時代、孤独の中で自画像を描いた時代。
作品を通して一人の濃密な人生を感じることが出来た素晴らしい展覧会だったと思います。

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