WIREDはかつてネット社会の黎明期の1993年にアメリカで創刊し、日本版は1994年から98年まで刊行された雑誌です。
編集長は小林弘人。
本国ではその後も順調に刊行を続けてたのですが、この度日本版が復刊することになったようです。
といっても、日本版の出版社も編集長も代わるので、当時とは別の雑誌と思っていいでしょう。
1994年というと首相官邸のHPができた年。広島でアジア大会が開催された年です。
あのころのWIRED日本版とInterCommunicationは、今に至る近未来への希望を切り開く存在でしたね。
今回の日本版はGQやVOGUEの日本版を出してる出版社が出すようですから、期待はそれなり。
PickUp!
1984(広島弁版)
Macintoshが1984年1月に、はじめて世に登場するときのコマーシャル戦略は、今でも語りぐさになっています。
ジョージ・オーウェルの「1984」をモデルにした不気味な社会を舞台に、それを打ち砕いて自由を獲得する・・・というストーリー仕立てのものです。
当時のソ連がモデルの不気味な社会は、IBMやIBMが開発したPC。それを打ち砕いて自由をもたらす救世主がMacだということです。
ちなみに1Q84は1984のパロディ(?)です。
オリジナルはこちら。
以前、話題になったAppleのコマーシャルを広島弁化してる人が、今度は1984を広島弁化しました。
最近は聞くこともなくなった語彙もありますので、勉強になりますね。
iBookAirもよくできています。
iPad
今日未明、AppleよりiPadが発表されました。
いろいろ噂が立っていて、気の速い人達の予想や願望よりもおとなしめの内容だったようで、現在のところ評判はいろいろと言った感じです。
僕が注目したいのは、CPUを独自開発しているというところ、ボタンが無いこと、すでにネット上で販売網を構築していることです。
独自開発のCPUは、省電力で画像処理に強く、開発も自由にできるし、無駄も無い。
もともとAppleは、ハードとソフトを明確に分けずに開発していました。
OSも、もともとは単なるSystemと呼ばれていて、新しいハードが出る度に、Systemも新しいバージョンになるという感じでした。
そういう意味で、Appleが自社開発のCPUを持ったということは、iPod→iPhone→iPad→→といった携帯機器のカテゴリに今後おもしろい何かを期待できると思います。
もともと、個人の夢や能力を拡張するために作られたAppleIIやMacでした。初代Macは当時、最小限のサイズで持ち運びを容易にする取ってがついていました。
OSもアプリケーションも、画面の解像度やサイズに依存しないわけですので、色々なサイズのiPad、目的に応じたiPadが出てくれば面白いですね。
キッチンの脇に置いてクックパッド見ながら料理するのであれば、防水性能も欲しいですし、A3サイズのものがでれば図面も描けるし、現場の打ち合わせにも使えます。そうなると防塵、耐衝撃性能も欲しい。
非常に楽しみです。
ボタンが無いこと、つまりインターフェイスについては、かなり画期的じゃないかと思っています。
身の回りの電子機器にボタンやスイッチはいくつあるでしょう?
一番多いのは、DVDレコーダーで30個ほど。永久にマニュアルが必要だと思いますし、リモコンはボタンを減らしたものを含めて2つもあります。
パソコンは、タイプライターをモデルとした入力装置となかなか縁が切れず、英語圏ではフルサイズのニーズが高いため小型化や、携帯化が難しい。漢字圏では思考と入力が分断されやすく、誰もが使える方法となっていない。携帯で使われてる数字キー+予測変換のほうが普及してるかもしれないですね。
そういう意味で、ジェスチャーで表現できる電子機器が普及すると、面白いことになると思います。
Appleよりも先に、Amazonがこうした携帯型の機械を作りました。
どちらも、強力な販売網を持っているということが特徴です。
書物に強いAmazonと、音楽に強いApple。この両者が、両輪となって新しいメディアの可能性を開拓して欲しいものです。
iPadはiPhoneやiTouchの大型版でしかないという評価もありますが、小さな一歩かもしれないけど、将来の可能性を考えれば、大きな一歩だと思います。
iPhone2
いよいよ日本でもiPhoneが発売されるようです。
といっても、世界のかなりの国(今年中に70カ国)で発売されるようですが。
電話機であると同時に、iPodでもあり、Macでもある素晴らしい工業製品です。
iPodが音楽業界に大きな風穴を開けましたが、このiPhoneも携帯電話業界に大きな風穴を開けると思います。
現時点では、新しい物好きな人たちが買って楽しむという段階だと思いますが、、、
今後は、さらに展開していくと思います。
3月6日に発表された後、iPhone用のソフト開発のツールが世界で25万超えたと言う事です。
つまり、一つの携帯電話に搭載するアプリケーションを開発する人が25万人いるということ。
通常の携帯電話では、標準的なアプリケーション?が数個あるだけですし、開発環境はオープンにされていません。
従来の家電のカテゴリであった携帯電話に、パソコンの世界を持ち込んだiPhoneは、単にハードの機能だけ持ち込んだのではなく、文化も持ち込んだ訳です。
一言で言うとアメリカ西海岸的自由ですね。
GPSもモーションセンサ(Wiiのリモコンみたいなもの)も搭載されていますので、今後、どんなアプリケーションが出てくるか。そういう期待感が一番のiPhoneの可能性だと思います。
他の家電メーカーも似たような電話機をつくることは可能だと思います。
しかし、3ヶ月で62カ国から25万人の開発者を集める事は先ず無理でしょう。
マイクロソフトもこういうことやりたいと思ってるでしょうけど、所詮ソフト会社なので、ハードを自前で作れない。OSとハード、その他含めて全ての環境を自前で作れるAppleだからこそやれることだと思います。しかも家電とパソコンの世界は相当隔たりがありますが、そこを突破できることも、これまで幾多のチャレンジと失敗を繰り返したおかげです。他人のふんどしで相撲を取ろうというM$とは、そこの蓄積が違うと思いますね。
ジョブズの代表的な仕事を振り返ってみると、共通している事がいくつかあります。
パーソナル、Art/amusement、コンパクト、完成された製品、ソフトとハードの融合、、、
1977年 AppleII
1984年 macintosh
1988年 Next Cube
1998年 iMac
2001年 iPod
2007年 iPhone
iPhoneを最大限有効に使うだけのインフラはまだ整っていないけど、どのようにインフラを整備すべきかは、逆に具体的なプロダクトがあって初めて明確になります。
そういう意味で、今後の可能性に期待したいと思います。
僕は、、、当然様子見ですが。