足摺岬

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二日目は、竜串地域にある爪白のキャンプ場にテントを張りました。連休ですからそれなりにテントは多かったですが、過密感はなく、中央には十分な芝のスペースがありました。
竜串地域は、天然の奇岩で有名で、隆起によって地層がほとんど直角になってたり、砂岩(?)が風雨にさらされて不思議な形に侵食されています。ガウディもびっくりという感じです。
今では完全に忘れ去られた観光地という感じですが、海外旅行が夢だった時代には、結構賑わったような気配は残っていました。確か親のアルバムには、このあたりの写真があったような気がします。もちろん白黒写真。

こうしたセピア色の鄙びた観光地ですが、見たい建築が一つありました。
林雅子さん設計の海のギャラリーです。
ちょうど僕が生まれた年に開館していますから、38歳ということになります。
全体の構造はシンプルでありながら、細部の寸法は適切で、いい建築でした。
南側の庇の高さや深さは絶妙ですし、中央のトップライトを活かすために左右の構造を連続させず自立させているところも非常に効いていました。末長く大切に使い続けて欲しい建築です。

足摺岬は黒潮が間近に迫っているという空気感はありましたが水平線は見えず残念。
団紀彦設計の国民宿舎の温泉に入ってキャンプ地に戻りました。
途中、食料の調達のためにあちこち探索しましたが不発。キャンプ地に戻る直前に、往きに目をつけていた魚屋に立ち寄ってみました。
じいちゃんとばあちゃん二人でやってる魚屋(武本鮮魚店)ですが、漁港のある小さな漁業集落の中の魚屋で、どれも美味そうでしたから、カツオのたたきと清水サバとイカの刺し身を作ってもらいました。
知らない土地を訪ねて、地元の人と関わることは以外と少ないのですが、食料調達に限っては別です。それが面白いので、宿屋に泊るのではなくテントを担いで旅行するのが面白いのかもしれません。
今回は、道の駅をあちこち回ったのですが、当りと外れがほぼ半々。当りは産直が活性化している所。逆に言うと道の駅じゃなくてもいいということになるのだが。
どこに行っても柑橘類はあふれ返っていたけど、地域によって微妙に種類が違って面白かったです。

伊予

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5月の連休は、前々から気になっていた伊予南部〜足摺岬あたりに行くことにしました。
まずはオープンしたばかりの坂の上の雲ミュージアムへと向かいました。ちょうど長谷川逸子設計の病院の隣に位置しています。
平面は三角形、隣接建物に面する一面はRCで、残りの二面はやや傾斜したガラス面となっていて、そこがスロープであったり、ロビーであったりします。
狭い敷地をうまく活かしたプランですが、スロープや吹抜がやや狭めなのが残念です。
吹抜を二層分斜めにつなぐ階段も、かなり無理をしているのでちょっと窮屈ですね。
しかし、きもちのいい資料館に仕上がっているので、今後、展示内容をレベルアップさせていくといい施設になると思います。NHKの大河ドラマは脚本が大苦戦中のようですが、資料館が先にできちゃったという感じでしょうか。

その後、大洲で鰻を食べて、肱川をさかのぼって小薮温泉に向かいました。
細い山道を登ると現れる木造三階建ての鄙びた古い建物で、アルカリ性の冷泉です。心身ともに癒されました。
そして宇和島に向かって、じゃこ天屋巡り。今回は時間もなかったので、野中かまぼこ店と薬師神かまぼこの二軒のじゃこ天を入手。薄くて黒っぽいじゃこ天らしいものは、野中の手押しがお勧め。ふっくらとした癖の無いものが好きなら薬師神のじゃこ天がお勧めですね。どちらもお休みは元旦だけというのがすごいです。 ほかには、井上蒲鉾本舗(創業150年)や、島原かまぼこも興味ありましたが次回の課題としておきます。
宇和島のじゃこ天マップはこちら。 宇和島蒲鉾協同組合

今回は海の近くのできるだけナチュラルな(いわゆる設備が整っているオートキャンプ場の対極)場所でキャンプをしながら土地の文化(主に建築と食と温泉)を堪能しようという主旨でした。
初日のキャンプ場は愛南町の須の川公園。翌日に外泊に行きたかったので。
ここは、海に面する公園の中に、淡水と海水の池があって、野生の鴨やアヒルがすんでいます。
その池に面した芝の広場に自由にテントを張るというスタイルですから、ファミリーオートキャンパーも全然いなくて、ライダー(多かった)と僕たちだけでした。すごく気持ちの場所であることも大切ですが、やはり人口密度も快適さに大きく影響すると思います。
翌日は、石垣の集落で名高い外泊に寄ってスケッチ。半島を一周廻る途中、愛媛県最南端の高茂岬でしばらく一服&スケッチ。そして足摺岬のある土佐清水市に向かいました。

出雲

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4月の終わりに、出雲まで行ってきました。
主な目的は、松江の県立美術館と、古代出雲歴史博物館
槙文彦設計の博物館は、素材の力をうまく活かしながら、きっちりと精密につくりあげるという感じで好感が持てる建築となっています。エントランスなどガラスを多用していますから、夕方は西日がきつく、ブラインドを下ろしてしまうので、午前中に行くのがお勧めです。
分厚い鉄(コールテン鋼)を軽やかに扱うところはさすがという感じです。しかし、槙さんは竹中一族で、どちらかというと大和朝廷サイド(伊勢)の方です。出雲族の出雲建築としては、ちょっと綺麗すぎるというか、軽快すぎる感じはありました。

松江の県立美術館では、来館者にスケッチ道具を貸し出して、周辺の風景をスケッチしてもらおうという企画があったので、久しぶりに絵筆をとってみました。ポストカードサイズの紙に、墨汁と割箸で描いて、パステルで彩色。
絵を描くというのは気持ちいいですね。

20世紀の名住宅物語 落水荘、サヴォア邸

NHKBS2で6回シリーズで世界の名住宅を紹介する番組をやっています。といっても、初日(2/8)に2つ、二日目(2/16に延期)に4つとまとめて放映するので、かなりあわただしいようですが。
これはNHKの子会社がつくった番組で、その住宅にゆかりがある人が語るという趣向であることが少し目新しさはあるし、一般の人が分かり易く親近感が湧く作りには好感が持てました。
落水荘は、ライトが浮世絵(滝の上に建つ仙人が住んでる風の小屋の絵)に影響を受けて設計したという。従来のキリスト教社会のように、自然を人間の環境と対立する対象として捉えるのではなく、日本(東洋)のように自然と渾然一体として住む家としたいということだったとか。だから、滝を眺める家ではなく、滝と一体化した家にしたようです。
語り手は施主であるカウフマン家の家政婦さん。
サヴォア邸は当時の時代背景も軽く紹介しながら、水平連続窓と白い外壁、自動車と郊外の立地のことなど、コルビュジェの先進性をさらりと紹介しています。