コレクティブ×コレクティブ

昨日のJリーグ頂上対決:広島×仙台戦は、広島が制し首位返り咲きとなりました。
4-4-2の仙台に対して広島は3-4-2-1。
戦術もスタイルも対照的な二チームですが、首位争いするだけあって重要な共通点があります。
コレクティブであること。
攻撃も守備も高いレベルで連動性がとれています。
旧広島監督&選手が中心である3位の浦和も含めると、コレクティブであることがサッカーでは重要な要素だと言い切っていいと思います。
しかし仙台のコレクティブさと広島のコレクティブさは大きく意味が違っています。
仙台は、規律が正しく、約束事を全員が最後まで全うする強さがあります。
広島は、この選手の独創性やイマジネーションをお互い感じあって連動する強さがあります。
剛と柔。又は四角と三角、儒教と道教といった感じ。

個人技が極端に優れたブラジル人のFWがいるなら、規律を重んじる日本人がひたすら頑張ればいい結果につながります。しかし、そうしたブラジル人が日本に来ない又は、出ていってしまう時代には、果たしてそのやり方は通用するのか?
という話だと思います。
かつての強豪(いわゆるビッグクラブ)が苦戦する今シーズンに、地方のクラブが善戦している状況は、外国人の個の力≒お金の力が強さの最重要要因と言えない状況を物語っていると思います。
お金がなくても個人の能力を最大限に発揮すると同時に、連携を重視することで、日本でNo1になれるということを実現してほしいものです。

長いデフレが地方を疲弊させていますが、潜在能力を持つ地方がその強さを活かすヒントがそこにあるように思うのですがいかがでしょうか?

ペトロビッチ監督 退任

昨日、広島のペトロビッチ監督の契約満了による退任が発表されました。
一つの幸せな時代が終わるという感じです。
6シーズンもの間、広島という地で高いレベルのサッカーを目指したいい仕事をしてくれたと思います。
永久に監督をやってくれれば・・・と思っていましたが。
去年辺りに、クラブの強化担当者がマンネリが怖いと言っていましたので、今年結果がでなければ監督交代かなと思っていたので、悪い予感が的中という感じです。

2006年に最下位の状況で就任しました。
丁度、ドイツワールドカップのJリーグ中断期間です。
代表はジーコ監督。広島は小野監督でした。
小野監督は優勝を狙って戦術を大きく変えてきました。中盤をフラットに4枚並べる4-4-2です。
これが全然機能しなくて最下位を独走してた状況。
この時、広島が最初に交渉したのが、鹿島を辞めたトニーニョ・セレーゾでした。彼はコーチも含めた複数のスタッフ込の莫大なギャラを要求したので話は流れました。
そこで面識があったペトロビッチに会って即契約という流れになりましたが、まさかこんなサッカーをするとは思っていなかったと思います。

そしてジーコジャパンがドイツで惨敗し、代表監督がオシムに代わりました。
ペトロビッチはユーゴ代表でもオーストリアのクラブでもオシムと一緒に仕事をしたこともあり、オシムの弟分ということで、時代を先取りしたような人事に期待も高まりました。
最下位だった広島を短期間に鍛えあげて、その後だけをカウントすると、二位くらいの成績でした。快進撃でした。
超攻撃的なサッカーなので、大量得点かつ大量失点というのも十分ありな戦術ですので、負けたとしても清々するような内容でしたが、チーム内の色々な崩れからJ2に降格します。
とにかく頑固。絶対に他人の言うことは聞かないという感じに見えました。
しかし選手に対する愛情は深く、不快信頼感で結ばれていました。
槙野、柏木は去っていった後でも、師弟としての心の絆は続いてるようです。

そして天皇杯準優勝、ゼロックススーパーカップ獲得、J2で快進撃をして、2009年には4位となって、翌年のアジアチャンピオンズリーグに出場します。
この年のサッカーが一番面白かったですね。
そしてACLを戦った2010、優勝を目指しつつ中途で上がりきれなかった2011。

2010あたりから、守備のスタイルが変わったことが、かつてのような大量得点を生むサッカーができなくなったように思います。2010年は故障者が激増して、守備的局面ではボール奪取をせず5バックでスペースを埋める戦術にしていましたが、ベストメンバーでも今年は5バック&カウンターの戦術をとっていました。
攻撃時の運動量が増加し、最後の所で力尽きる場面が増えましたし、人数はいるのに無駄な失点を重ねる場面も多くなりました。
確かにマンネリと言われても仕方がなかったかもしれません。
しかし、こんな素晴らしい人物の次に誰がやれるのだろう?と素直に思います。
ペトロビッチを慕う選手たちをつなぎとめるためにも、ペトロビッチ以上の人物を選んで欲しいものです。

残りリーグ戦3試合と天皇杯。
これから、なんとか新しい局面を切り開いて最後にペトロビッチ監督への贈り物として欲しいです。

17番

今朝は朝3:30に起床。
テレビの前で、今シーズンの最後を飾るCL決勝に立ち会う。
先制点はシャビからボールを受けた17番のペドロ。
昨シーズンから注目してる選手です。ペドロのフリーになる動きと、間接的シュートと言ってもいいようなシャビのパスのタイミング。マンUがこんな失点をするということ自体ありえないことです。
マンUは、ルーニーのワンツーによる1点を返したものの、メッシの綺麗なゴールで追い越され、ビジャのゴールで止めを刺されてしまいます。
ファーガソン監督が四半世紀でナンバー1のチームと評したFCバルサの今シーズンは、世界の人達を魅了し終ったのでした。

FCバルサや近年のスペイン代表は、世界の強豪が様々なスタイルで挑んできましたが、何をやっても歯がたたない。
現時点で可能な最高のフットボールを実現しています。これも、長年にわたる組織の意思統一と成熟が生んだ成果だと思います。
シャビが活躍できる限り今の形は続くと思います。あと何シーズン、シャビの輝きを見ることができるか。
楽しみでもあり、時間の厳しさも感じるところです。

午後、仕事をし、現場で打合せをしてたら、ひょんなことで広島×鹿島戦のチケット頂くことになりました。
晴れてれば当然参戦するところでしたが、台風の余波もきてるので、BS観戦かなと思ってたところ。
せっかくなので、息子と一緒に行きました。
雨は予報通り5mm程度の弱いものでしたが、風がやっかいでした。
雨風に吹かれて軽く震えながらの観戦でしたが、ゲーム自体は非常に緊張感があるものとなりました。
故障者を抱え、意地でも勝ちたい両者。
それぞれのストロングポイントが風でぶれながらも激突した好ゲームでした。
しかし、この試合は、森崎浩司の試合となりました。
広島は、攻撃時は前線、守備時はバックラインが厚くなるため、中盤はかなり人が薄い状況で、攻守のバランスを取ったいい仕事をこなしました。
綺麗なミドルシュート2発は、献身的な仕事のご褒美のようなもの。
広島のシャビと呼びたくなるような不可欠な存在です。

その森崎浩司のアテネ五輪の時の背番号が7番。
僕が入ってるフットサルチームの最初のユニフォームをつくったのがその時期だったので、浩司にあやかって(一桁じゃ恥ずかしいので)17番にしたのでした。

放蕩息子が一時帰国