昨日、ロンドン五輪の開会式より前に始まったフットボール男子の予選リーグ第一戦がありました。
相手は優勝候補と誰もが認めるスペイン。
結果は、ご存知の通り日本が1-0で勝利しました。
このチームは、攻撃にムラがあり、OA選手を入れるまでは、守備にも課題がありました。
いい選手はいるのですが、どこか期待が薄いチームでした。
先日の、トゥーロン国際大会でも、オランダに勝ちながらも、エジプト等に負けて、予選敗退をしていました。
試合が始まった瞬間から、ボールを保持する事はあきらめて、ボールを保持する相手と、パスの出し手に対してチェックに行きます。
パスミスを誘発したり、インターセプトしたりしてボールを奪うと、数人でパス交換をしながらゴールへと向かいます。
従来、攻撃的な戦術と言えば、スペイン代表や日本代表、FCバルセロナやサンフレッチェのように、ポゼッション率を高めてショートパスをつないで相手を崩すサッカー。
守備的な戦術と言えば、一人を前線に残して自陣に引きこもってスペースを消すもの。攻撃は、ロングパス一本。
しかし、この日の日本は、決して自陣に引きこもる事無く、しかし自らがボールを保持する事はあきらめる。攻撃はロングパス一本ではなく、ショートパスをつないで相手を崩しながら・・・
という戦術でした。
攻撃的なチームが、超守備的戦術をとったというケースで、なかなか見る事ができない試合です。なぜなら、前線からチェイスすることを90分間維持する事はほぼ不可能だからです。
試合が始まった当初、途中でガス欠になって、自陣に引きこもるか、逆カウンターを食らうか・・・と心配していましたが杞憂でした。
90分間、集中力を切らさず、しっかり連動性を維持し、守備と攻撃を行いました。
後半シュートの正確さを失っていましたが、あれだけ走れば、シュートの余力は残ってなかったでしょう。セットプレー以外で点が入らなかったのは、攻撃要員を温存するという発想が無く、全員守備要員としてフルに動いたからでしょう。
これまで、スペインやFCバルサ対策がいろいろとられてきました。日本でもサンフレッチェ対策がいろいろとられてきました。
おそらく、こうした対策でもっともよくはまったのが昨日の日本代表の戦術だったと思います。
しかし、誰もができる戦術ではありません。攻撃的なチームのみができる超守備的戦術だと思います。
つまり、自陣のゴールを守る戦術ではなく、ボールを奪って攻撃するために守備をする戦術だから。
ここまで徹底した監督や選手に敬意を表したい。
しかし、もしも決勝で再びスペインとぶつかったら・・・・惨敗してもいいからガチンコでやってほしい。