最近読んだ本

読書メーターという読んだ本や読みたい本を登録し、他の人の書評などとリンクして楽しめるサイトがあります。去年の秋から始めてみて、219日で156冊。1日平均0.7冊のペースで本を読んでいるようです。年間250冊、月に20冊ペースというところです。
建築の本や歴史の本、サイエンスや料理の本などジャンルは幅広く、著者も多い人で2冊までですから、一つのテーマでも複数の視点の本を読んでるといえますね。
ここ数カ月で面白かった本を少しピックアップしてみます。

振り返ってみると、日本やアメリカ、欧州が今後どうなっていくのか?そのあたりが一番気になるところですから、そういう本をいくつか読んでいます。
現在の建築や生活文化のルーツは気になるところですので、何がどのあたり時期のものをルーツとしているのか?ということがいくつかはっきりしました。
歴史に関する本は、あまり対象範囲を広げないようにしようと思いつつ。。。

●経済に関する本

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円高、デフレなど日本の経済にのしかかる重いダメージの理由を、シンプルなマクロ経済から解き明かしてくれます。

[amazon_image id=”4047102334″ link=”true” target=”_blank” size=”medium” ]デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)[/amazon_image]
デフレが止まらない。理由は簡単で、生産年齢人口が減っているから。
じゃあどうすべきか・・ということが書かれています。
地方の経済を長く分析している著者なので、現状の把握が具体的です。

[amazon_image id=”412102124X” link=”true” target=”_blank” size=”medium” ]日本経済の底力 – 臥龍が目覚めるとき (中公新書)[/amazon_image]
日本の経済の希望を感じさせてくれます。

●建築に関する本

[amazon_image id=”4306052389″ link=”true” target=”_blank” size=”medium” ]建築家・吉田鉄郎の『日本の建築』―JAPANISCHE ARCHITEKTUR,1952 (SD選書)[/amazon_image]
吉田鉄郎氏が半世紀前にドイツ語で書いた日本建築史の本を和訳したものです。
異文化の人に説明するために書かれたものなので、解りやすく、奥が深いものとなっています。
住宅や庭について書かれたものも和訳されているのでぜひ読んでみたい。

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アントニオ・ガウディやサグラダファミリアに関する本はたくさん出ていますが、この本は写真も外尾さんの文章も素晴らしい。

●住まいに関する本

[amazon_image id=”4782411057″ link=”true” target=”_blank” size=”medium” ]江戸時代 日本の家―人々はどのような家に住んでいたか[/amazon_image]
日本の伝統的と思ってる住宅の形式や要素の多くは、江戸時代の武家の住まいを由来とするものが多いようです。

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TOTOのトイレ開発の中心人物が書き下ろしたウォシュレットの開発秘話。
日本が誇るウォシュレットはいかに偉大なのか?そう思わずにはいられません。

●その他の本

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平清盛

いよいよ明日から大河ドラマ「平清盛」が始まります。
厳島神社や音戸の瀬戸、瀬戸内の島々にも何かと縁があるので、かなり楽しみにしています。
「ちりとてちん」の脚本家が脚本を書いたようですので、安心はできますが、ここのところの大河は、原作なしでいきなり脚本家が脚本を書くケースは、ハズレが多いのでちょっと心配しています。

唐の時代は朝廷同士の貿易が中心でしたが、大陸では唐が倒れたのちに宋が成立し、特に南部沿岸地方の民間商人が貿易に乗り出した時代。
その経済力を取り込んで国を改革しようとした平清盛のスケールの大きさをいかに描くのか?期待したいです。
特に、近年もグローバルな経済の動きに対して、乗っかるのか?それとも否定して閉ざすのか?議論が激しく起こってる状況ですので、興味深い視点が提示されてたら面白いと思います。

しかし平清盛といえば、日本の歴史上、悪玉として位置づけられています。
巨大な政争に負けた側のトップなので仕方が無いのですが、、、
同じような立場に、蘇我入鹿がいます。
日本史の授業では、中大兄皇子達に暗殺された悪玉という扱いですが、実は大化の改新と言われた数々の改革の多くは蘇我氏が着手していたという説もあります。
蘇我氏を倒した中大兄皇子は、滅亡した百済救済に大軍を出兵し、惨敗した後に天智天皇となって近江に都を遷都します。
この子孫が桓武天皇となって京に遷都するのですが、、、この桓武天皇が桓武平氏のルーツとなりますから、平清盛の先祖。因縁ある関係と言えます。

西の悪玉が平清盛なら、東の悪玉は平将門。こちらも同じく桓武平氏です。
国を新しくしようとして、力尽きた英雄が悪玉として今も土地に伝説を残している。
関東も平将門なくしては語れない歴史の重さがあると思います。
大河ドラマは、一年かけて歴史と文化の蓄積を感じるご当地イベントですから、毛利元就以来の広島が舞台なのでしっかり広島や瀬戸内海の歴史や文化を楽しむ2012年としたい。

新年

あけましておめでとうございます。
旧年中は皆様に大変お世話になりました。
今年もよろしくお願いします。

大晦日の晩は、近くの大歳神社の年越しのイベントに21時ころから、3時ころまで参加してきました。
年が明けたら、午前は女子サッカーの決勝戦。神戸の圧勝。
初詣から帰ってきたら天皇杯決勝。その後録画していた女子W杯決勝。涙。とサッカー三昧の正月でした。

初詣は、家族と再び大歳神社へ。その後草津八幡宮へ初詣。
草津八幡宮は厳島神社と同じく推古朝時代に多紀理姫を祀ったことから始まったと神社の由来に書いていました。
海を挟んだ向かいにもなる大分県の宇佐から八幡さんがやってきたのはその後のことのようです。
厳島神社は宗像の三女神を祀り、草津八幡宮はそのうちの一人である多紀理姫を祀っています。多紀理姫は日本海海戦の舞台となった玄界灘にある沖の島の神さんです。
推古朝と言えば随に使者を遣わした時期。外国への航路を仕切る宗像一族が中央政府と深い関係を持ち、玄界灘から瀬戸内海に進出してきた時期なのでしょう。
神社は古い港を見下ろす丘の上にあって、広く眺望が開けています。海上交通の拠点としては申し分ない場所の位置しています。
今年の大河ドラマは宮島と縁の深い平清盛が主人公ですが、厳島神社以外の海のルートの歴史を考えてみるいい機会です。
できるかぎり津々浦々に足を運んで、広島の海の文化を感じる年にしたいと思っています。

謎手本忠臣蔵

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加藤廣さんの歴史小説です。
これまで、桶狭間や本能寺などの様々な歴史上の謎解きをテーマに小説を書いてきましたが、これは忠臣蔵がテーマです。
浅野内匠頭は、なぜ吉良上野介に激怒したのか?
庶民レベルではいくつかの説はありますが、正確な理由は明らかになっていません。
つまり隠されたのではないか?というところがベースになっています。
語り手は、将軍綱吉の側用人柳沢吉保です。
謎解きはまずまずの面白さですが、加藤さんのストーリーの背景にいつも出てくる、関白近衛前久という人物。
足利幕府末期から織田、豊臣、徳川の難しい時代に、朝廷のいわば何でも屋という感じで、武家政権との外交や、裏交渉、陰謀に至るまですべてやった強烈な政治家・・という感じの人だと思います。
本能寺の変を仕掛けたプロデューサーという説も濃厚です。
忠臣蔵でも、近衛前久の子孫がやはり絡んできます。

この近衛前久がらみの人物に、八条宮智仁親王という人物がいます。
こどもが出来なかった豊臣秀吉が、皇族から養子をもらって、豊臣家を相続させるとして候補に上がっていた人物です。
しかし淀君が秀吉との接触のない時期に懐妊。秀頼誕生により養子縁組がご破算になった事件の片方の主人公です。
この智仁親王が作った遊びのための建築が桂離宮です。
そして兄の後陽成天皇が智仁親王を後継にしようとしたが家康に反対され、後陽成天皇の子が後水尾天皇となります。
後陽成天皇の女御で後水尾天皇の母は近衛前久の娘です。
娘の婿が桂離宮を作り、孫が修学院離宮をつくったわけです。
又、老後は銀閣のある慈照寺東求堂で隠居したということですので、ある意味政界と建築界の大プロデューサーだった人かもしれません。