偽造マンション問題の感想

非常に気分が悪くなる事件が連日のように続きますが、総研の偽造マンション問題は特に気分が悪かった。
せめてこうした事件から社会的に潜在する原因を抽出して課題を修正することにエネルギーを使いたい。
この事件からは膨大な課題が浮かび上がるが、一番は「安いものはそれなり」ということだろう。
違法である部分だけが問題となっているが、違法でないこともたくさんやっているから大幅なディスカウントやコンサル料の捻出ができているわけです。誤魔化した鉄筋量だけでは大したコストダウンにはなりません。

長く続いた不況から、僕達は安いものが勝つという経済的風土をつくってしまったわけで、その点についてはダイソーもユニクロも無印も最近のソニーもヒューザーとどこが違うの?とも言えるわけです。
最近のアンケートを見ると、欠陥が発生することまでして安くして欲しくないという意見が当然多いが、素人はそこの見極めができない。
じゃあ意味なく高いものがいいのか?ということでもないし。
消費者の求める価格と品質のバランスは、法律では規定できないわけで、今後も紆余曲折することになるだろう。

昔読んだ畑正憲の食べ物の本で、彼の究極の安くて美味しいものを食べる方法は、産地に行って、どんぶりごはんにそれ(がなんであろうと)を山盛りぶっかけて醤油をかけることだというものだった。
カスピ海にご飯を持って行ってキャビアを山盛りぶっ掛けて食べたとか。(僕もテヘランでキャビア寿司というものを食べたことがあるが。)

いまのところ、正しくて安くていいものを手に入れる方法は、そんな方法かもしれないと思っている。
できるだけ生産者に近いところに行って、実際つくられているものを間近で見ながら買う。もちろんすべてにおいてそれを実行することは難しいが。

食べることも住むことも基本は変わらない。
つくられている現場に足を運んでそこでコミュニケーションすること。この積み重ねが一番大切ですね。
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