朝起きて新聞を開いたら日曜美術館で柳邸改修の番組をやっていたので観てみた。
最近、柳宗悦が気になっていたので、いろいろ調べたり読んだりしていたところだったので、ちょっとしたエピソードや自宅が見れたのはよかった。
夕方、出西窯の展示会を覗いてみた。ここでは、柳宗理デザインの土瓶の復刻と新しいシリーズの展示もしているというので。いいのがあったら買おうかなと思って行ったのだが、心動かず。残念。
宗理シリーズの新作は、従来の出西のデザインを宗理風にしたという感じで、従来の出西のものよりもハイセンスだが、それがどうしたの?という感じ。小皿で面白いのがあったが、ちょっと小さすぎて何を入れようかと考えてしまうサイズ。(小魚の甘露煮が似合いそう。)
そして夜、途中からだった柳宗悦の番組を改めて観た。
民芸は、僕たちの世代にとっては、二昔まえの世界なので、本来目指していた精神性のようなものは、想像でしかわからない。僕たちの世代は、民芸風というデコラティブなものがアンアンノンノ系の和風観光地に行けば溢れているという状況だったので、「民藝」と難しい漢字を使わないと、柳宗悦先生の世界まではなかなか到達できないから。
しかし、日本の民芸も、柳が「発見」した李朝の美も、ミッドセンチュリーブームに引っかかったのか、柳宗理のデザインも、時代を超えてゆくだけの力があるし、そのあたりが日本の二大美意識のうちの一つの重心に近いところ。
柳宗悦の著書を読んだのはずいぶん前なので、改めて柳親子について考えてみたい。
柳宗悦は千利久のことをボロクソに(アートを政治的経済的に利用しすぎると)言ってるけど、本音は利久を高く評価しています。僕は二人が日本の文化に与えた影響はほとんど同じ方向性だと思っています。
そのあたりが現在注目されているというのも、その時代と似た課題を今の時代が背負っているということでしょうね。
出西窯の展示会は9月に福屋でやるそうです。